2011 年の日本人の平均寿命は女性85.9 歳(世界第2 位)、男性79.4 歳(世界第8 位)であり、世界有数の健康長寿の国として知られています。この健康長寿を支える要因の一つが日本の優れた「食」です。「食」が平均寿命の進展に大きな役割を果たしている事は科学的に解明されつつあります。超高齢化社会である21世紀において、健康長寿を促進する「食」は、今後の発展が期待される、重要分野です。
一方、高齢化やTPP などの問題が取り上げられる事が多い我が国の農業分野ですが、味や栄養価など様々な点で、世界でも有数の高付加価値型の農産物を生産する、世界的にも希有な存在であり、我が国の食文化を支える基盤として重要な役割を担っています。本セッションでは、超高齢化社会である21 世紀の到来を念頭に、我が国の「食」と「農業」の潜在価値を見据えた様々な研究を踏まえ、「健康」に着目した「食の未来」を展望します。