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VCOM

従来、社会的な問題を解決するアプローチは「政府や行政にお任せ」または「市場を通じた企業活動に委ねる」のどちらかの選択肢しかないと考えられてきました。しかし近年、教育、福祉、食品の安全、環境、オープンソースソフトウェア開発などの分野で、関心と熱意を共有する人々が自発的に集まって知恵と力を出しあうという第三のアプローチ、"コミュニティ・ソリューション"が注目されてきています。
1995年の阪神淡路大震災の被災者支援を契機にスタートしたVCOMは、当初、NPOや市民団体がインターネットを利用して「ネットワーク・コミュニティ」を作ることを支援してきました。2003年からは、特に教育分野とコミュニティマネジメントに焦点を絞り、具体的な改革の提案を行い、それを促進するためのインターネット・ツールを提供するなど、先端的な社会実験を通じた実践研究を目指しています。

参加組織数: 2
連絡先:玉村 雅敏 tama[at]sfc.keio.ac.jp
http://www.vcom.or.jp pdflogo 印刷用PDF (2016年5月現在)

主要プロジェクト1: コミュニティ・スクールの提案

コミュニティ・スクールは、学校を地域コミュニティの自律した経営体とすることにより、これまでの「上意下達」の教育システムを根本から改める「風穴」をあけようという、包括的な改革の提案です。コミュニティ・スクールは、VCOMの研究代表者である金子が教育改革国民会議で提案したのが最初ですが、2004年の通常国会で、コミュニティ・スクールの設置を可能にする法律が成立しました。2005年4月から、コミュニティ・スクールがスタートします。学校関係者や自治体など、各方面から大きな関心が寄せられています。コミュニティ・スクールは日本の学校制度にとって、その発足以来、はじめて、その運営方法についての選択肢を提供するもので、新制度の解釈を含めて、情報はほとんど存在しません。そこでVCOMでは、コミュニティ・スクールでどんな新しいことができるのか、また法改正の主旨は何かを説明したり、コミュニティ・スクールを始めようという人や地域に対するアドバイスなどを提供しています。

主要プロジェクト2:学校評価支援システム

現在、学校をアカウンタブルな組織にし、教育の質や組織運営方法を改善することが求められていますが、その基本となるのが学校評価です。学校評価の結果が広く公表されれば、学校と地域コミュニティ、および学校間のコミュニケーションが促進されます。それにより、いつも「上を向いていた」学校が、地域コミュニティと一緒になって自律的に問題解決する組織体となる基盤ができ、コミュニティ・ソリューションが機能する契機となります。しかし、実施している自治体が少ないのが現状です。また、実施した自治体を調査したところ、学校評価の実施作業が学校現場に大きな負担を与えていることが判明しました。更に、評価結果を分析し、学校の改善に生かす方法が分からないという声が多く上がっていることがわかりました。このような状況を改善するために、VCOMでは、SQS(Shared Questionnaire System)を提案し、オープンソフトとして開発を行っています。SQSにより、学校評価の普及への大きな寄与が期待されています。

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主要プロジェクト3:学校と地域情報化、e-learning支援

VCOMではこれまでの活動に引き続き、市民参加の「成功例」として名高い藤沢市の「市民電子会議室」の運営支援を行います。また、金子が理事長を務めるNPO法人(特定非営利活動法人)であるILA(Internet Learning Academy:略称アイラ)と連動して、IT利用による新しい学習スタイルの導入、e-learning支援、インターネット技術を有する人材の育成などの活動を進めます。

研究担当者

担当者名 所属
玉村 雅敏 総合政策学部教授
金子 郁容 名誉教授
  鈴木 寛 政策・メディア研究科教授 総合政策学部教授
  村井 純 環境情報学部長・教授:アドバイザー
  清木 康 環境情報学部教授:アドバイザー
  木幡 敬史 SFC研究所上席所員