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ライフクラウド研究コンソーシアム
Life Cloud Research Consortium

本コンソーシアムは終了致しました。

研究代表者:村井 純(環境情報学部教授)
連絡先:村井研究室(内線 54225)
http://lifecloud.sfc.keio.ac.jp/
pdflogo 印刷用PDF (2014年12月現在)

目的

本コンソーシアムでは,人間の一生を通じて様々な形で生産される健康および医療に関する情報を保持し,自分自身の情報の振り返りや知的なアドバイス等を可能とするクラウド型プラットフォームの構築と実用化を目的とする。このために,現在アナログメディアに記録されているお薬手帳や母子手帳,各種定期健診結果,検査結果,あるいは日常的な血圧や体重の測定結果等をデジタルデータとして記述する標準的なフォーマットを定める。
また,それらのデータを安全に保持し,利用者に対して多様なサービスを提供するための,ディペンダブルなプラットフォームのアーキテクチャを構築する。さらに,同プラットフォームを持続的に運用するためのビジネスモデルを構築する。

研究期間

2012年度から2014年度の3カ年とする。ただし必要に応じてこれを延長する。

研究分野

当コンソーシアムでは,大きく下記のような分野を含む研究活動を推進する。

1. アーキテクチャ

健康および医療に関する情報を保持するためのクラウドプラットフォームのアーキテクチャを構築する。同アーキテクチャでは,国あるいは国際機関の定める標準仕様との整合性を考慮しながら,多様な情報を安全に入力・保持し,入力された情報を可視化し,さらに利用者に対して提案する。

特に以下の情報を当面のターゲットとして定め,活動する。

  • 医療・お薬情報:医療機関等で受ける診療に関する電子カルテを含む情報,および調剤薬局や医療機関にて調剤された薬の履歴をプラットフォーム上に保持する。医療機関が患者の服薬履歴を患者の許可のもと閲覧することで,より質の高い医療の実現を図る。
  • 介護・看護情報:介護機関や医療機関等で受ける介護および看護に関する情報をプラットフォーム上に保持する。複数の介護・看護者が一人の患者に関わる場合,患者自身の許可のもと,それらの当事者間で情報を共有することで,介護・看護の円滑化を図る。
  • 健康情報:自治体,企業等が主体となって行う健診等の結果,予防接種の履歴,日常的な体重や血圧の測定結果,あるいはサプリメントや食事の摂取履歴をプラットフォーム上に保持する。医療機関等がこうした情報を患者の許可のもと参照することで,より質の高い医療の実現を図る。

また,以上が私的かつ重要な情報であることから,プラットフォームの要件として次の点については重点的な検討や技術開発を行う。

  • 自己情報コントロール:情報所有者の許可なくプラットフォームから情報を漏洩させないよう,情報に対するアクセス制御を情報所有者が実施できる技術の開発を行う。
  • ディペンダビリティ:同プラットフォームが広域かつ持続的に運用された際に,それが停止することなく,人々がそれに安心して依存可能とする一連の技術開発を行う。
  • ユニバーサル:類似のプラットフォームが複数存在する場合にそれら相互の連携を可能とし,多様な情報源から情報を入力可能とし,かつ利用者に対して多様なメディアで情報を提供可能とするための技術を開発する。

2. 持続運用モデル

同プラットフォームの実運用を開始し,運用を持続するためには,それに関わる様々なステークホルダ間に円満なヒューマンネットワークが自律的に構築され,かつ全てのステークホルダに何らかのメリットが必要である。既存のPHR(Personal Health Record)やEHR(Electric Health Record)に関する取り組みを分析し,ステークホルダへのインタビュー等を通じて,持続可能なプラットフォームの運用モデルを構築する。

特に,上述した情報全てに共通する課題として,以下について重点的に活動する。

  • インセンティブ:プラットフォームの持続的運用を可能とするためには,医療・介護・健康等に関する情報を保持する者が,その情報をプラットフォームに投入する必然的動機が必要である。また,プラットフォームが保持する情報を閲覧することで得られる便益が,ステークホルダごとに明確である必要がある。これらを明らかにする。
  • 運用モデル:プラットフォームの運用を持続するためには,それに要するコストを負担する必要がある。またそのコストをインセンティブより小さく抑える必要がある。多様なステークホルダが自律分散協調的にコストを負担していく仕組みを構築する。
  • 法制度:医療・介護・健康等の情報をプラットフォームに保持し,それを利活用可能とする際には,現行の法制度に適合しない事象が発生すると考えられる。プラットフォームのメリットを具現化して運用を持続させるために必要な法的環境を整える。

活動計画

上記の目的を達成するために,随時ワーキンググループを設けて活動する。

構成メンバー

担当者名 所属
村井 純 環境情報学部長・教授
  秋山 美紀 環境情報学部准教授
  中澤 仁 環境情報学部准教授
  當仲 香 保健管理センター
  大川 恵子 メディアデザイン研究科教授
  宮地 恵美 SFC研究所上席所員(訪問)
  本田 由佳 政策・メディア研究科特任助教