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産官学連携ケーススタディ
『まだまだ拡がる鉄道事業者向けプロジェクト・セキュリティプロジェクト』

SFC研究所で行われている産官学連携による様々な研究活動とその成果をケーススタディとしてご紹介いたします。(肩書きは掲載当時のものです)

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まだまだ拡がる鉄道事業者向けプロジェクト・セキュリティプロジェクト

今回は、セキュリティ分野が専門の武藤佳恭教授(環境情報学部)が産学連携のプロジェクトとして行っているJR東日本との複数の研究活動について、武藤教授ご本人より紹介していただきます。

JR東日本コンサルタンツ株式会社との共同研究は、私がアドバイザーをしているZCC株式会社の杉岡玲人社長(SFC研究所所員(訪問))と土木学会フェロー会員の廣重初則氏(SFC研究所所員(訪問))が、最新のGPS装置をJR東日本に提案したところから始まります。ZCC株式会社のGPSは、米国の軍需技術であるPVT(position, velocity, UTC同期)モデルをTrimble社と共同で開発したものです。
JR東日本の2003年情報化月間記念講演会での私の講演を契機に、JR東日本コンサルタンツの記念パーティーに招かれることになり、その席上で1時間以上にわたり、JR東日本大塚陸毅社長に直接色々なアイデアを提案する機会がありました。大塚社長は、私の提案の直後にその場で、JR東日本コンサルタンツの溝畑靖雄社長に武藤研究室との共同研究を進めるよう指示されました。それから、JR東日本コンサルタンツの小林三昭氏がSFC研究所所員(訪問)として毎週大学に来るようになり、本格的な共同研究が始まりました。
共同研究は、ハードウエアばかりでなく、サイエンスパーク株式会社小路幸市郎社長(SFC研究所所員(訪問))を含めて、本格的なセキュリティソフトウエア研究も進めています。現在も多くの研究が進行中であり、鉄道事業者向けプロジェクトは増え続けています。
「発電床」
JR東日本フロンティアサービス研究所との共同試作品

1. 発電床 プロジェクト

人間の移動するエネルギーを起電力に変える発電床を開発しています。目標は、駅のエスカレータを発電床の起電力で動かすなど、環境にやさしい駅へ電力供給することです。SFC研究所上席所員(訪問)の江藤潔氏が協力者です。

PDF振動力発電「発電床」(87KB)

「駅用スピーカ」
駅用スピーカ試作機

2. 横波スピーカ プロジェクト

健常者だけでなく、老人や難聴者にも聞きやすい、駅構内や車内用のスピーカを研究開発しています。SFC研究所上席所員(訪問)の加藤卓也氏(バリアフリーPCの研究)、同じくSFC研究所上席所員(訪問)の合津榮敏氏(プロデューサ、寺垣式スピーカーの紹介者)が協力者です。

3. 内部犯行セキュリティ プロジェクト

大規模ネットワークにおける機密情報の情報漏えい対策など研究開発しています。SFC研究所所員(訪問)の小路氏が協力者です。
→導入事例「SCIENCE PARK」

4. GPSプロジェクト

GPSによる列車位置把握など鉄道分野でのGPS利用について研究開発しています。中央線特急あずさへの搭載試験など数多くの実車搭載試験を実施し、「トレインロケーションサービス」などの提案も進捗中です。SFC研究所所員(訪問)の杉岡氏と同じくSFC研究所所員(訪問)の廣重氏の協力の下研究を行っています。

PDFGPSポジショニングソリューション/ローカル線運行情報提供システム「トレインロケサービス」(1980KB)

5. その他

電磁波などの基礎研究から、ICタグやLPS(ローカルポジショニングシステム)など幅広い分野での最先端技術の鉄道への応用について、日々研究開発を進めています。

(掲載日:2006/1/26)

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