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産官学連携ケーススタディ
『e-ケア型社会システムの形成とその応用の融合研究』

SFC研究所で行われている産官学連携による様々な研究活動とその成果をケーススタディとしてご紹介いたします。(肩書きは掲載当時のものです)

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e-ケア型社会システムの形成とその応用の融合研究」

SFC研究所では、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業ハイテク・リサーチ・センター整備事業による私学助成を得て、2005年度より5ヵ年計画にて、「e-ケア型社会システムの形成とその応用の融合研究」プロジェクトを進めています。このプロジェクトは、2002〜2003年度まで総務省による「e!プロジェクト」を前身に、SFCを包括したキャンパス横断型プロジェクトとして研究が推進されています。今回はこのプロジェクトをご紹介します。

e-ケアスタジオ
e-ケアスタジオ

「e-ケア型社会システムの形成とその応用の融合研究」は、少子高齢化社会に対応した新たな社会システムの探求であり、看護学・医療福祉工学・情報通信技術をはじめとした先端的基盤技術の積極的な活用を背景に、社会が本質的に持つ「ケア力(けありょく)」の向上に関する応用研究を実施するものです。さらに、形成された「e-ケア型社会システム」を実証的に検証し、このプロジェクトで開発されたシステムを広く社会へ展開していくことを目指しています。

→「e-ケアHRC」ウェブサイト

研究グループ

本プロジェクトでは、3つの研究グループを組織し、それぞれの研究者およびグループが個別の研究テーマを受け持ち、相互の連携を図りながら研究活動を行っています。

e-ケア・エンティティグループ

e-ケア型社会システムのうち、その構成要素となる様々な「個」=「エンティティ」を研究対象と位置づけ、社会のケア力向上を目指すためにそれぞれがどのような存在であるべきか、またその環境がどうあるべきかを探求しています。

→「e-ケアHRC」エンティティグループ

「知的障害者・自閉症児者の健康支援プログラム」は、ITを活用した知的障害・自閉症の人たちの健康を看護職の立場からサポートする取り組みです。障害をもつ人、特にコミュニケーション障害のある人は、健康の維持や病気の発見・治療が難しいという現状があります。これらを踏まえ、2005年度は歯科受診をスムーズにする取り組みとして、障害者やご家族に活用していただく歯科受診プログラムを作成しました。
このプログラムは、藤沢市歯科医師会、知的障害・自閉症者のご家族から多くのご意見やアイデアをいただき作成しました。これらのつながりをさらに発展させ、2006年度以降は健診受診のプログラムや障害理解・接し方のプログラムを作成していきます。
将来的には、地域の人々の障害理解を深め、障害者が地域でよりよく暮らせることを目指しています。

→「知的障害・自閉症児者の健康支援プログラム」ウェブサイト

e-ケア・リレーションシップグループ

e-ケア型社会システムでは、社会の「ケア力」向上には、人と人、人と組織、人と環境などの良好な関係性と信頼、それらを基盤とした断続的な情報の流通(コミュニケーション)が必要不可欠であり、「ケア関連情報の流通」「被ケア者のセルフケアへの介入」「子供と親の関係を形成するペアレンティング・エデュケーション」等の観点から、それらの望ましいあり方を追求します。

→「e-ケアHRC」リレーションシップグループ

「地域包括ケアシステムの構築に関する研究」では、年齢に応じた基本的な体の動かし方・体力を維持する運動プログラムを開発し、これらのアプローチにより、高齢者の自宅生活を可能にすることを目的として研究を推進しています。藤沢市、とくに大庭地区において、健康管理に関する講演会を行うとともに、自宅での生活を続けたいが、退院直後であったり、身体の動きなど健康の面から自信がない方、家族の介護負担を軽減したいと考えている方などを中心として、ご協力いただける市民の方々を募り、本運動プログラムの検証を行っています。
このような、地域と連携した活動を進めることにより、地域社会に根ざした「ケア力」向上を目指しています。

≪「地域包括ケアシステムの構築に関する研究」での次回講演会≫
※講演会は終了しました。

  • 日時: 2006年7月8日(土) 13:00〜16:00
  • 会場: 湘南大庭市民センター ホール会場
  • プログラム
  • 13:00〜13:30 受付
    13:45〜14:45 研究協力者募集について
    14:45〜15:00 休憩
    15:00〜16:00 講演会
    演題: 「脳梗塞とその予防について」
    講師: よみうりランド慶友病院長 厚東篤生 氏

e-ケア・インフラストラクチャグループ

e-ケア型社会システムのインフラストラクチャとは、通信回線やハードウェアといった従来の狭い意味での「情報インフラ」の枠にとどまらず、「情報通信技術を活用した人間生活の支援」を目的とした技術群のことを示しています。

→「e-ケアHRC」インフラストラクチャグループ

「インターネットを活用した『健康コミュニティ』づくりに関する研究」においては、団塊の世代の退職、いわゆる2007年問題を間近に控え、彼らの健康を今後どのように維持していくかをテーマとして捉えています。市民が自分たち自身で健康を作り上げていけるコミュニティ形成に関する研究プログラム「インターネット健康コミュニティ」を、横浜市や藤沢市を中心に活動する複数のシニアNPOと共同で行っています。地域コミュニティの人々が健康な生活基盤を作り、維持するための新しい「コミュニティガバナンス」を発見していくプロセスをサポートし、そして最終的な目標である健康増進に資するインフラの提供を目指します。

(掲載日:2006/6/9)

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