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ランニングデザイン・ラボ
Running Design Laboratory


2016年12月1日開設
代表者:蟹江 憲史(政策・メディア研究科教授)
連絡先:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス エプシロン棟205研究室
(事務局:0466-49-3452) (running[at]sfc.keio.ac.jp
印刷用ページ(2017年8月現在)

目的

本ラボは、長距離競走にかかる多様な側面を研究する。とりわけ近年、大学スポーツの中でも箱根駅伝を始めとする駅伝の人気は年々高まってきており、一種の社会現象とまでなっている。こうしたことを勘案しながら、大学スポーツの中での長距離走や駅伝のあり方、社会的意義から、強化策や強化方法、練習法に至るまで、ITの利活用や医学や生理学を含む、多様な学術的側面の融合領域としてのランニングというものについて研究する。なお、本ラボの研究については、2017年に100周年を迎える體育會競走部の長距離強化プロジェクトと連携して実施することにより、実践的に研究をすすめるものとする。

大学駅伝に関する研究はこれまでコンディショニングなどの事例研究をはじめとして、トレーニング、運動生理学の視点から多くなされてきている、様々な先行研究によると、大学駅伝にむけてのスケジューリング、トレーニングには各校差がなく、どの大学も似ているということが言える。駅伝はチームスポーツであり、「駅伝で勝つためには、個人の能力も重要であるがそれ以上にチームワークが必要である」と報告されているが、大学駅伝の先行研究では選手個人に焦点を当てたものがほとんどでチームに焦点を当てた研究は見当たらない。一方で「チームスポーツにおけるチームの強さを評価するためには、個々のメンバーの技術力とチームワークとの両方を評価することが不可欠である」と指摘されている。チームの強さの要因を知るためには、選手個人の能力を問題とするだけではなく、チームワークすなわち、集団機能について研究することも必要である。集団機能は、行動(集団機能)が部活内で適切に働くことが、目標達成や活動の維持。発展に必要であると指摘されている。チーム内での個人の行動やその変化がチーム全体にどのような影響を与えるのか、またそのプロセスを理解することが、効果的なコーチングに必要なことであるといえる。コーチングプロセスの現実を「泥沼的(the ‘muddiness’ of the realities of the coaching process)」と表現されるように、コーチングを行う際、様々な要素が相互に作用しあい複雑な影響をコーチングに与えているといえる。しかしそのような現実の中、コーチが「構造化された即興(structured improvisation)」を行っていることも事実である。さらに「一貫して専門的知識,個人間の知識,個人内の知識を駆使し、あるコーチングコンテキストにおいて知識を使いこなすことによって、アスリートの4Csをあげていく。それが効果的なコーチングである」と述べられているように、コーチングを行う際、二度と同じ現象が起こらない中で、そこで何が起きているのか過去から学び、経験を整理しながらより良い即興で効果的にコーチングできるように構造化していくために、ひとつひとつの現象を理解することが重要であるといえる。しかし、これまで大学駅伝出場チームが一年間歩んできたプロセスを対象に行った研究は行われていない。大学駅伝においても、1人1人がどうであったか以外に、レギュラー選手、さらにはそれを支えたメンバーを含めて何がそこに起こったかというプロセスを包括的に理解することは、効果的なコーチングを行うための学びとなり得る。そこで、大学駅伝においてチームビルディングをするにあたって、チームのプロセスを理解し研究をすることは効果的なコーチングを行うにあたっても重要なことと言える。

こうした実践的研究の他にも、近年過熱する駅伝ブームや、これとマラソン競技との関係、そして大学スポーツとしての長距離走や駅伝競技のあり方を含め、ランニングのデザインを全般的に検討することを目的とする。

研究活動計画の概要

(2017年度)

  • データ収集
  • 分析・評価
  • 研究プロジェクトの実施

(2018年度)

  • データ収集
  • 分析・評価
  • 研究プロジェクトの実施

メンバー 所  属
蟹江 憲史 政策・メディア研究科教授:ラボ代表、統括
  保科 光作 政策・メディア研究科特任講師:統括補佐、體育會競走部との連携
  村井 純 環境情報学部長・教授:大学スポーツ、ITとランニング
  河添 健 総合政策学部長・教授:競走部との連携
  水鳥 寿思 総合政策学部講師:エリートスポーツとランニング
  植原 啓介 環境情報学部准教授:ランニングとテクノロジー
  古谷 知之 総合政策学部教授:ランニングとテクノロジー
  袖野 玲子 環境情報学部准教授:環境とランニング
  近藤 明彦 体育研究所教授:トレーニングと生体に対する負荷状況調査
  橋本 健史 スポーツ医学研究センター准教授:トレーニングと生体に対する負荷状況調査
  神武 直彦 システムデザイン・マネジメント研究科准教授:位置情報とデータ収集分析
  高木 岳彦 體育會競走部チームドクター:トレーニングと生体に対する負荷状況調査