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ユビキタスコンピューティング&コミュニケーション・ラボ
Ubiquitous Computing & Communication Laboratory

2003年4月1日開設
代表者:徳田 英幸
http://www.ht.sfc.keio.ac.jp/ubi-lab/
連絡先:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス Δ館S213 ラボラトリ事務局
Tel: 0466-47-0836
印刷用ページ(2015年8月現在)

目的

本ユビキタスコンピューティング&コミュニケーション・ラボ(以下「本ラボ」)では、今後ますます重要になってくるユビキタス社会をめざした情報通信の基盤技術だけでなく、新しいユビキタスアプリケーションの研究開発やビジネスモデルの創出とともに、参加企業などと共同での実証実験を通じてその社会的インパクトを研究することを目的としています。我が国におけるユビキタスコンピューティング環境に関する研究開発の中心的なラボとなることをめざしています。

概要

総務省「ユビキタスネットワーク制御・管理技術の研究開発(ubilaプロジェクト)」は本ラボのメンバーを一員としてスタートしており、さらには、同メンバーが中心となって情報処理学会に「ユビキタスコンピューティングシステム研究会」を2003年4月から設置しています。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)基盤研究促進事業の一環である「スマート環境を実現するユビキタスコア基盤技術」の研究も進めており、本領域における研究開発ニーズは、大変高くなってきています。
我が国の得意とするケータイ技術、情報家電技術、組込機器技術、モバイル技術などをシームレスに統合し、人間を中心とした新しいユビキタスコンピューティング環境を実現するとともに、ユビキタス社会に対する研究集団を創出することは、SFCの先端的情報環境の優位性を保つ上でも重要な意味を持っています。

研究計画

本ラボでの研究開発の「もと」として、Smart Space Lab(SSLab)があります。これは、これまでのPCやPDAのように人間が自分の手元で使用する情報環境に加えて、スマートスペースと呼ばれる目に見えないところに計算機が埋め込まれた情報環境が互いに協調しあいながら、前者だけではできない知的処理を可能とする場です。
会議室や、リビングルーム、ビルの公共空間などをスマートスペースにする研究を進めています(図1)。

smart space concept
SSLiving
図1: Smart Space

本ラボではこのような環境をより身近な場所にそして容易に創出できることを目的として、以下の諸課題に取り組んでいます。


ユビキタスオープンプラットフォーム

ユビキタスコンピューティング環境を創出する「道具」として、サービスプラットフォームとモバイルプラットフォームの研究開発を行います。サービスプラットフォームとは、家庭やオフィスなどの私的空間から駅、バス停や公園などの公共空間までを含めて、そこに配置することによってセンシング、アクチュエーション、ネットワーキング等のユビキタスコンピューティングサービスを提供する道具です。
図2は、家庭や公共空間に置かれるサービスプラットフォームの一例です。
このように、サービスプラットフォームは、ユビキタスコンピューティング環境を創出する「家具」や「公共端末」として使われるでしょう。

スマートランプ
Smart Fureniture
図2: Smart Furniture

また、サービスプラットフォームを図3のスマートパネルようにブロックのように組立てることができるようになれば、必要に応じて、利用者が自由にサービスプラットフォームを創出し、配置することもできるようになります。

u-Texture
図3: u-Texture

これに対してモバイルプラットフォームは人間が携帯する道具で、サービスプラットフォームでホストされているサービスを利用するために使われます。たとえば、利用者がRFIDリーダを使い、気に入ったモノに触れながら買い物をした際に、ユーザの行動履歴などを利用者のポケットや鞄に入っているユビキタスコア端末内に記録し、街中に設置された公共端末や、自宅のPCなどで行動履歴を新しいビジュアル手法で閲覧するサービスなども提供できるようになります。図4は、左からビジュアライザ、RFIDリーダ、ユビキタスコア端末を示しています。

uCore
図4: uCore


また、今後、数多くの情報家電やセンサが様々な場所に配置されることが予想されますが、それらの機器の存在を利用者にどのように発見させ、操作方法を提供するかが課題となります。その解決策のひとつとして、情報家電やセンサをスナップショットとして撮影し、保存することのできるカメラを利用する方法があります(図5左図)。そのカメラによってある範囲を写真に取ることで、撮影された範囲に存在する機器の機能や操作方法をデジタル写真上に視覚的に付加することができます(図5右図)。そして、その写真から機器に関する情報を取得することや、アプリケーションを起動することができるようになります。

uPhoto
図5: u-Photo


これらのプラットフォームは、産学を問わず様々な場面で応用の研究開発が進むよう、ハードウエアやソフトウエアの追加・変更が円滑に行えるオープンなプラットフォームである必要があります。

ユビキタス基盤ソフトウエア

ユビキタスネットワーク環境では、上述したプラットフォーム同士を動的に接続して基盤環境を構成し、同環境内のサービスに対する利用者の入力を受け付け、さらにサービスが生成する出力を利用者にフィードバックする必要があります。これらのそれぞれを統合的に実現するために以下に示す個別の研究課題に取り組んでいます。

ネットワークサービス技術

サービスプラットフォーム間、およびサービスプラットフォームとモバイルプラットフォーム間で動的にユビキタスネットワークを構築するための技術開発を行います。

状況認識技術

各種センサモジュールを用いて利用者周辺の状況を認識するための技術開発を行います。

サービスローミング技術

ディスプレイやスピーカ等の各種アクチュエータモジュールを用いて利用者にサービスを提供するための技術開発を行います。

ユビキタスインタフェース技術

上述したプラットフォームと利用者とのインタラクションを円滑化するヒューマンインタフェース(HCI)技術を開発します。

ユビキタスアプリケーション

スマート環境におけるサービス技術として、サービスプラットフォームとモバイルプラットフォームを使用した応用ソフトウェアを開発しています。情報機器を自動制御して利用者の手間を省く「楽をする」技術だけでなく、ユビキタスコンピューティング環境から得られる様々な情報を利用して人々に付加価値を与えていく「楽しくする」技術にも重点をおいた開発を進めています。特に交通、医療、出版、放送の各分野を主要ターゲットとし、家電、広告、災害、情報等の各分野に関しても既存アプリケーションの適用や開発の検討を行っていきます。以下に、開発中サービスの一例を図に示します。

ユビキタス地図サービス
ユビキタスモバイルサービス
ユビキタス地図サービス
ユビキタスモバイルサービス
ユビキタスビューワサービス
ユビキタスホームサービス
ユビキタスビューワサービス
ユビキタスホームサービス

構成メンバー

メンバー 所  属
徳田 英幸 政策・メディア研究科委員長 環境情報学部教授
  清木 康 環境情報学部教授
  國領 二郎 総合政策学部教授
  武藤 佳恭 環境情報学部教授
  高汐 一紀 環境情報学部准教授
  中澤 仁 環境情報学部准教授
  米澤 拓郎 政策・メディア研究科特任講師