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IPv6によるITS共通基盤の構築を目指すインターネット
ITSプロジェクトが2000台規模の車両を 用いた実証実験を計画

2001年10月18日
インターネットITS共同研究グループ
代表: 慶應義塾大学 SFC研究所 所長 村井純

インターネットITS共同研究グループ(慶應義塾大学SFC研究所、トヨタ自動車株式会社デンソー、日本電気株式会社)は、2001年4月より、経済産業省の支援のもとに、インターネットによるITSの共通基盤を構築するための技術開発とその実証実験を行ってい ます。このたび同グループではこのプロジェクトについての開発および実証実験の計画を決 定致しました。

インターネットITSプロジェクト実施計画の概要

共通基盤の開発
様々な業種の事業者がアプリケーションや機器を開発・商品化できるよう、IPv6を用いたシステムの共 通基盤となるべき部分を開発し、仕様を作成する。

実証実験 (実験期間2002年1月から順次開始〜3月末終了予定)

大規模実証実験
インターネットITSにおいて想定される多様なアプリケーションのうち、代表的なアプリケーションとして 以下を選定し、目指す世界の実現性を技術面、社会面等様々な視点より検証する。

  1. 名古屋実験:輸送事業者、利用者を主なユーザーと想定したサービス
    • タクシー業務用サービス
    • 乗客向け情報提供サービス
    • プローブ情報提供サービス
  2. 首都圏実験:一般ドライバーを主なユーザーと想定したサービス
    • ガソリンスタンドにおけるサービスガイダンス、コンテンツ配信等
    • 駐車場における決済、コンテンツ配信等
    • 走行中の情報提供

高機能車による実験
将来にわたるインターネットITSが目指す姿を想定したうえで、将来実現されるであろうシステムの一部 を具現化した高機能実験車を製作し、技術の実現性検証と、アプリケーション の実証を行う。

  • IPv6による車内ネットワーク化、メディアフリーの通信ルータ機能
  • 運転者安全運転支援、乗員別健康管理、グループメディアコミュニケーション、車両動態監視等

協力組織(順不同)

インターネットITS共同研究グループは以下の組織にご協力いただいております。

  • タクシー事業者(名古屋タクシー協会会員)
  • ガソリンスタンド事業者(日石三菱株式会社)
  • 駐車場事業者(パーク24株式会社)
  • コンテンツ提供事業者(中部マルチメディアコンソーシアム会員)
  • コンテンツ提供事業者(株式会社リクルート<ホットペッパー>)
  • 電子決済事業者(ビットワレット株式会社<Edy>)
  • 研究組織(奈良先端科学技術大学院大学、財団法人自動車走行電子技術協会)

IPv6(Internet Protocol version 6)とは
インターネットは、通信基盤として成長し、コンピュータ以外の情報家電機器へも広く普及してきました。IPv6は、 従来のプロトコル(IPv4)よりもはるかに広いアドレス空間を持ち、無限に近い数の多くの機器が接続できるプロトコル です。また、これまで以上にセキュリティやサービス品質の向上を図ることができます。移動中も常に接続環境が提供で きるモバイルインターネットの導入も進んでいます。

ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)とは
最先端の情報通信技術等を用いて人と道路と車両とを一体のシステムとして構築することにより、ナビゲーションシス テムの高度化、有料道路等の自動料金収受システムの確立、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管理の効率化等を 図るものです。

プローブ情報提供サービスとは
個々の車両等の移動体を動くセンサとしてとらえ、情報を収集/蓄積/加工し、それらを共通的な基礎として相互に利 用することにより、道路交通情報をはじめ、気候、自然、社会に係る新たな情報の価値を生み出すものです。例えば、個々 の車両の速度情報を収集し旅行時間情報等として提供するサービス等が考えられます。

本件についてのお問合せ先

(事務局)慶應義塾大学SFC研究所
E-mail :info@InternetIts.org
Tel :0466-49-3618
Fax :0466-49-3622
Web :http://www.InternetITS.org/