ユビキタス社会における未知なる経験作り出すデザイナーは、発見した経験を他者に伝えるためのデモンストレーションを作りあげることで作品を世の中に送り出します。そして来場者がデモを体験し、身を持って面白い経験を感じ取れたとき、真のプルーフ・オブ・コンセプトとなるのです。ユビキタスエレメントカタログは、そのようなデモの制作のヒントになることを詰め込んだ本です。過去の授業や奥出研究室で作られたデモンストレーションを分解し、どのようにコンセプトを経験として伝えたか、そのためにどのような技術を使ったか、どのようなインタラクションを実現したのかを知ることができるようにしています。皆さんのデモ制作の助けになれば幸いです。
カタログの構成は
デモの作り方の答えは一つではありません。コンセプトと同じようにデモでもオリジナリティを発揮することが必要です。まずは、自分達で理想的なデモをイメージしてみて下さい。
- 理想のデモがイメージできた時にデモってなんだ? という人は
→ まずデモ実例集を見て、イメージを沸かせてみてください。
- そのデモで使う技術的な要素はわかるのだが、どうやって使っていいかわからない。
→ 本誌の表紙側のエレメント引きを利用して、該当する技術があればその詳細や、実際にその技術を使って作られたデモへの参照を見てください。
- そのデモで実現したいインタラクションがあるのだが、どうやって実現すれば良いかわからない。
→ 本誌の裏表紙側のオペレーション・アクチュエーション引きを利用して、該当するインタラクションがあれば、参照しているデモを見てどのように実現しているのかを見てください。
ただし皆さんの理想とは違う形で実現されている可能性も十分にあり得ます。ここでのやり方を鵜呑みにせずじっくりと考えて、理想的なインタラクションをどのようにしたら実現に向けて試行錯誤してみて下さい。その成果は、ゆくゆくこのカタログに載るかもしれません。