研究報告書

2005年度 電子教材作成支援資金

 

科目名:メディアと言語教育 − ドイツ語学習環境設計プロジェクト

研究代表者氏名:藁谷郁美

所属:総合政策学部 兼 政策・メディア研究科

研究課題:ドイツ語学習のための自律学習教材開発 − 教材コンテンツのデータ                          ベース構築およびコーパス作成

 

研究組織

藁谷郁美(総合政策学部兼政策・メディア研究科)

太田達也(総合政策学部

平高史也(総合政策学部兼政策・メディア研究科)

マルコ・ラインデル(総合政策学部)

加藤周作(政策・メディア研究科)

石司えり(政策・メディア研究科)

 

本研究の背景と目的

 春・秋通年で開講している研究プロジェクト科目「メディアと言語教育 ― ドイツ語学習環境設計プロジェクト」では、SFCのドイツ語教育環境設計を念頭においたIT教材の作成およびドイツ語自律学習支援システムの構築を目標に活動を続けている。とくにここでは、SFCにおけるドイツ語教育の基礎となるドイツ語教材コーパスの構築を目的とし、インテンシブコースおよびベーシックコースで使用する初級I,初級II,初級IIIまでのコンテンツを対象に、語彙データベースシステムの作成を目指す。

研究成果

 SFCドイツ語研究室で自主開発したドイツ語学習教材『問題発見のドイツ語 Modelle 』第3巻が2006年3月に出版され、インテンシブ初級I〜初級IIIで使用する教材『問題発見のドイツ語 Modelle 』シリーズ第1巻〜第3巻までの全巻が、全国にむけたSFC発信の教材コンテンツとして立ち上がった。このコンテンツを対象に、語彙データベースの作成を進めていった。既存のコンコーダンスプログラムの調査を踏まえて、データベースのシステム作成の方向を確定する作業を経たのち、Modell教材に取り上げた例文を分析、この結果をもとに、データをデータベース化していった。現在の時点で、名詞データをカテゴリーに分け、教材の中での位置づけ(初出箇所の課)をすべてのデータにタグ付けし、副教材として作成した教材のデータも追加した。ウェブを用いた語彙のデータベースのかたちで現在作成しているが、データベースそのものを用いた学習のための運用(オンライン単語帳など)は、今後の取り組みとして現在作業中である。

 なお、この作業の成果は、2005年11月22日〜23日に六本木アカデミーヒルズでおこなわれたORFSFC Open Reserch Forum )において発表、さらには2006年2月25日に三田キャンパスG-Secで開催された言語シンポジウム『次世代の額国語教育デザイン』においてプレゼンテーションおよび資料展示をおこなった。同シンポジウムの報告書は2006年に発行予定である。

今後の課題

 現在までに完成しているデータベースを効果的に利用するためのインターフェースづくりが今後の課題のひとつである。そのためには、自律学習支援のために作成したそのたのWeb教材とこのデータベースをどのように関連付けていくのか、そして全体のシステムをどのように機能させていくのか、今後の構築の方向性を再検討する必要がある。