2008年度学術交流支援資金研究報告(電子教材作成支援)
【課題名】3−8 スポーツバイオメカニクス
【申請者】政策・メディア研究科准教授 仰木裕嗣
【研究助成金額】650千円
【研究概要】
本研究では,2007年度のカリキュラム改訂によって設置されたスポーツバイオメカニクスの教材を開発することを目的としている。
スポーツバイオメカニクスでは、主に以下のトピックに関する大項目を学習する。
(1) 解剖・生理学的基礎知識の理解
(2) 古典力学の基礎的知識と解法の理解
(3) スポーツバイオメカニクス方法論の理解
(4) 歩・走・泳・跳・投など、スポーツ運動の動作に関するバイオメカニクス的側面の理解
2008年度秋学期に実施した課題は以下のとおりである。この各項目についての教材を開発した。
ヒトの解剖学的構造・神経筋生理学の基礎
(2)力学基礎1・2・3
ニュートンの運動法則、力、トルク、位置、速度、加速度、仕事、パワー
研究手法(計測手法・解析手法)について
(4)スポーツバイオメカニクス各論
【総括】
本研究では、スポーツバイオメカニクス研究の入門として身体の機能・構造、解剖学的な特徴を理解したのち、研究の柱となる古典力学の理解を促した。次に、ヒトの運動を計測・分析するというバイオメカニクス研究方法論を概観したのちに、スポーツ運動の各論を学ぶべく、跳・歩・走・泳・投のバイオメカニクス研究を学んだ。
概論的な授業の位置づけではあるため、それぞれのトピックを深く掘り下げることができなかったことから、特に古典力学について学生の理解が足りなかったことが反省点としてあげられる。実際に練習問題として、例題を解くというプロセスが足りなったと言える。これは今後の反省材料であるため、授業中内で取り組める学習課題および、宿題として各自が自宅で再確認のために取り組める課題が必須であると考えられる。
学習をより深く進めるためには、思考の道具としてのソフトウェアの活用も欠かせないが、本研究分野で必須ともいえる数値解析ソフトウェアによる練習問題についても今後は開発が必要である。以前開講していた「数値と近似」において開発済みの、教材については独学用教本が8割ほど完成しているため、特にスポーツバイオメカニクス各論の練習問題を付け加えることで発展させていきたい。