2009年度 学術交流支援
研究課題名 マニフェスト政治のアジア展開
研究代表者氏名 曽根泰教 政策・メディア研究科教授
研究課題:曽根研究室は、わが国のマニフェスト導入・発展に貢献してきた。また、韓国へのマニフェスト導入では韓国側との協力のもとに、統一地方選挙、大統領選挙と積極的に関与してきた。2009年11月には再びソウルで共同開催を行い、日韓の最先端のマニフェストの現状分析と理論化を行った。さらに、台湾の学者とマニフェストを台湾へ普及させる準備を行ったが、まだ、今年度段階では十分な展開に到ってはいない。
2.本年度の主な成果
(1)「マニフェスト国際学術大会」の開催
2006年以来、毎年行ってきた日韓学術大会であるが、2009年度はソウルにて開催した。
<第4回日韓交流国際学術大会>
テーマ「政策選挙評価と発展方案比較:韓国・日本・台湾」:
2009年11月20日(金曜日) 、ソウルプレスセンター20階国際会議場で行われた。
当日のスケジュール
13:00 - 13:30 登録
13:30 -
13:40 開会式
開会の辞: 金永来亜洲大学教授
歓迎の辞: 左承喜 京畿開発研究院長
13:40 -
14:30
第1会議: 地方政治発展の課題
韓国事例: 金文洙 京畿道知事
日本事例: 松沢成文 神奈川県知事
14:30 - 16:10
第2会議: 政治文化の変化
司会: 鄭用德(ソウル教授, 前韓国行政学院長)
発表: 林成浩(韓国慶熙大敎授)
“選挙とマニフェストの韓国的適用性: 政治文化と政治制度の脈絡”
曽根泰教(日本慶應大教授)
“2009年政権選択選挙とマニフェスト”
陣陸輝(台湾国立政治大学選挙研究所研究員)
“台湾 民衆政治的支持の持続と変遷”
討論: 李柱榮(ハンナラ党国会議員), 李洛淵(民主党国会議員),
金容熙(中央選管委員会政党支援局長), 黃偉峰(台湾国立政治大学教授), 金 進(中央日報論説委員)
16:10 -
16:20 休息
16:20 -
18:00
第3会議: マニフェスト選挙と地域社会発展
司会: 沈之淵(慶南大敎授, 前韓国政治学会会長)
発表: 朴在旭(韓国新羅大学教授)
増田寬也(日本前総務大臣)
“マニフェストと地方政治の変化”
討論: 黃柱洪(康津郡守), 金榮順(松波区庁長), 久住剛(日本
Public Resource Center 代表), 金東成(京畿開発院統一ㆍ東北亜硏究センター長), 劉文鐘(韓国マニフェスト実践本部事務総長)
(2)論文・出版物・学会発表
曽根泰教「2009年政権選択選挙とマニフェスト」(日韓学術大会、2009年11月20日)
曽根 泰教/日韓交流国際学術大会実行委員会『日韓比較―マニフェストで自治・国政は変わった』(東信堂、2009年12月)
河東賢『マニフェストをめぐる政策移転の日韓比較』(政策・メディア研究科博士論文、2009年1月)
(3)その他の研究成果
①日本の総選挙に際しては、マニフェストの検証大会、選挙直前の麻生対鳩山の党首討論を行い、曽根がいずれも司会を行った。②民主党政権が誕生し、そのマニフェストの検証及び政権交代におけるマニフェストについて意見がさまざまに摘出されているが、曽根は『朝日新聞』2009年11月7日の「オピニオン」記事など多数の発言を行った、③韓国チームと政権交代が起こった日本の総選挙の分析を集中的に行った。④日本と韓国の経験、特に韓国の経験に関心をもっている台湾の学者・研究者との連携のきっかけは掴めたが、台湾において一気に展開するにはいたらなかった。来年度の課題である。