本年度の活動は、主に次の3点を中心に行った。第一に、ケースの作成と、作成したケースが実用に耐えうるかを判断し、よりよいケースへとリライトしてゆくためのケース検討会の実施である。詳細は以下に記載したように、本年度は4本のケースを作成し、すでに2本分はケース検討会を行った。また3月に残る2本のケース検討会を行う。これらのケースは、自治体での活動を主としたものであり、自治体政策担当者の問題解決能力の養成に資するものであると考えている。
第二に、ヘルスサービス分野においてのケース利用を行っていくための情報交換と、現在重要な問題をヘルスサービス研究会のメンバーが把握し、今後のケース作成に活かすためのミニシンポジウムを開催した。シンポジウムの詳細も、下記に記している。
第三に、ヘルスサービス分野において、近年注目されている学際的な研究分野である社会疫学 social
epidemiology に注目し、この勉強会を開催した。これは、健康格差の問題を社会的な視点から考察する者であり、狭い意味での公衆衛生領域に留まらない政策立案における基盤的知見を提供する可能性を秘めたものである。そこで、疫学を専門とする医学部の武林教授の協力を頂き、積極的に勉強会の開催を行うことで、次年度以降の実証研究のための準備を行った。
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