科目名:アラビヤ語ベーシック、インテン1・3、スキル
奥田 敦(総合政策学部教授)
■研究(活動)成果■
本研究は、「SFCアラビヤ語の授業で使用する教材・副教材の改良を行う」もので、当初の計画に基づきながら、具体的には、次の4つを対象とした。
@インテンシブのスキットビデオ(部分)の撮影・編集
Aベーシックのチュータークラス用(自習用も可)ウェブ教材の改良
B副教材として開発中のアラビヤ語マルチメディア辞書データベースの整備・拡張
Cその他
@インテンシブのスキットビデオの撮影・編集
インテンシブ1用に作成したオリジナルテキスト『イクラァ』のスキットビデオに関して、前年度3月にアレッポにてロケを行ったスキットビデオ「命令と禁止」の編集を行い、前年度までに撮影と編集作業を終えている他の課と合わせて、『イクラァ』のスキットビデオを完成した。
Aベーシックのウェブ教材の改良
ベーシック教科書『マドハル』(入門)の自習用ウェブページの改良を行った。
Bマルチメディア辞書データベースの整備・拡張
マルチメディア辞書データベースの構築に関しては、まず、前年度3月の約千五百語に及ぶ単語収集を受けて、約千件についてデータの入力を行った。また、公開(キャンパス内)に向けてアレッポ大学日本センターの協力も得て、引き続きデータの内容的なチェックを行った。
システム面においては、これまでは見出し語のみであった検索対象を例文のレベルにまで拡げる改良を行うとともに、ユーザーインターフェイスの向上も図った。またとりあえずの入力が完了している最も権威がありかつ広く使われている『ハンスウェアアラビヤ語英語辞典』の電子データのチェックを行うためのシステムづくりを進めた。
また、これまで別に管理されていた「ハンスウェア」のデータの中の約千語の動詞データについて、辞書データベースとの結合を行った。
Cその他
@)i-phone アプリの試作
アラビヤ語学習を支援するi-phone アプリへの登録プログラムを、プログラムデザイナー岩井貴史氏(研究室OB)の協力を得て試作した。データの選定を中心に実際の登録にはまだ時間がかかるが、今後の電子教材の方向性に示唆を得た。本アプリケーションは、ベーシックからインテン1〜3の学習支援システムとしても期待できる。
A)アラビヤ語動詞活用チャート・例文集『アフアール』の作成
すべてのアラビヤ語動詞のパターン147を網羅し、その活用表と例動詞を例文とともに収録したアラビヤ語動詞チャート・例文集『アフアール』の制作を進めた。この本のデータは、上記Bの辞書データベースのデータを活用したものである。来年度春学期中の完成を目指している。
B)オリジナル教材の改訂および追補
『イクラァ』(インテン1教科書)の本文および新出単語表の整理と練習問題の改訂作業、『サビール』(インテン3教科書)の本文の改訂、新出単語表と練習問題の改訂作業を行った。
■研究発表■
本研究のうち、辞書データベースとアラビヤ語教材開発については、次の内外3か所で研究紹介を行った。
@日本フェア(@アレッポ大学日本センター、シリア)2009年9月
AORF2009(@アカデミーヒルズ)2009年11月
B学生交流会(@ムハンマド5世大学、ラバト、モロッコ)2010年3月
■今後の展望■
インテン3用のテキスト『サビール』については、当初、スキットビデオの撮影を予定していたが、インテン1・2の充実から、その内容が易しすぎるという問題が出てきたため、内容も含めて、再度の検討が必要になった。
引き続き、教材、副教材の両面において効果的な電子化に取り組んでいきたい。