研究課題名:2009年度学術交流支援資金「電子教材作成」報告書
所属:総合政策学部
氏名:古谷知之
近年、統計学分野では、ベイズ統計を用いたデータサイエンスが主流となりつつある。欧米では、政策科学やマーケティング・サイエンス、環境科学、医療統計、空間統計などの応用分野でも、ベイズ統計を用いた教科書や演習書が数多く出版されつつある。しかし我が国では、確率統計に関する一定の知識を前提に、基礎から応用までをカバーする教科書がほとんどない。
そこで本資金をもとに、ベイズ統計に関する電子教材を作成した。具体的には、(1)社会科学を主な応用領域として、ベイズ統計の基礎から回帰分析、マルチレベルモデル、非集計選択モデル、時系列モデルまでをカバーする電子教材を作成し、(2)統計言語Rを用いた豊富な演習問題を用意し、(3)SFC学生がオンラインで学習できる、電子教材を作成した。
昨年度は、本資金で作成した電子教材を書籍にまとめ、朝倉出版から『ベイズ統計データ分析』として出版した。本年度は、入門的な内容を中心に電子教材の改善を行うと共に、空間計量経済学及び空間統計学に関する内容を追加した。特に後者は、2009年8月から(財)統計上法研究開発センター「ESTRELA」誌上で「空間の統計学」として連載している。
本誌金で作成した電子教材と書籍を、学部授業「ベイズ統計」での教育に活用した。
ESTRELA連載記事における電子教材については、以下のサイトから閲覧可能である。
http://web.sfc.keio.ac.jp/~maunz/wiki/