研究科題名

国際学術交流：グローバルガバナンスの研究

～北東アジアにおける経済統合にむけて～

代表者

慶應義塾大学政策メディア研究科

教授

渡邊頼純

報告者

慶應義塾大学政策メディア研究科

修士課程1年

高木信太郎

◆概要◆

本学術交流の理念及び目的は、復旦大学大学院(中華人民共和国、上海)及び延世大学大学院(大韓民国、ソウル)との学術交流を通じて、「東アジア共同体」の実現可能性とその障害を探るものである。自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA)数が急増する中において、東アジア主要三カ国である日中韓の間には未だFTAは締結されていない。東アジアはEUや北米地域(NAFTA加盟3カ国：カナダ、アメリカ、メキシコ)と比べ、政治的、文化的な多様性が存在している。一方で、EU、NAFTAと比肩する経済規模を持ち、その内部に、先進工業国である日本、成長著しい中国、工業化を果たしつつある韓国及びASEANを持つ当該地域における地域共同体のインパクトは大きく、日中韓の次世代のリーダー達が実際に交流通じ、その実現を探ることが本学術交流の課題である。

本学術交流の概要は、慶應義塾大学と中華人民共和国復旦大学(中華人民共和国、上海)及び延世大学(大韓民国、ソウル)との大学間協定を基礎に行われている修士課程を中心とした大学院生によるワークショップ実施とその準備のための共同研究及びディスカッションによって構成されている。また、国際学会の一環として博士課程をはじめとする若手研究者による研究発表も併せて実施されている。

本年度春学期には上海復旦大学において、春学期ワークショップが行われた。本年度は春秋学期ともに経済、環境、政治の各グループが構成され、参加者はこのワークショップ開催の前後において、各ディスカッションテーマに関する調査、オンラインミーティングを重ねることでワークショップの準備を行うことが義務付けられていると同時に、インターネットを用いた遠隔講義において、日中韓や東アジア地域における最新の研究動向を把握に努めている。

また、三大学の教授は、ワークショップ当日においては、三大学の教授が参加し、ディスカッション等も含めて指導、示唆を与える役割を担っていると共に、Opening RemarksやOpening Lectureなどにおいて各国における最新の研究及び政策動向の提示を行っている。

　以上の活動を通じて、参加者は最新の東アジア研究動向を把握しつつ、一国からのみの視点を越え三ヶ国で共有可能な東アジアのロードマップを描きだすことを行った。また、こうした具体的なワークショップの成果と同時に、将来の日中韓の学術、政策におけるリーダーとなり得る人材が国境を越え、英語という共通言語を通じて専門的な議題を直接議論したことも成果の1つであると考えている。

◆上海ワークショップ日程表◆

○5/21(金)

17:30集合：成田空港第1ターミナル　南ウイング4階Kカウンター前

19:30出発：日本(成田)

21:50到着：中国(上海)　バスにてホテルへ

○5/22(土)

集合：ホテル一階ロビー

出発：タクシーにて復旦大学へ

FUDAN- KEIO-YONSEI Distance Learning Course (2010) Spring Semester)

Pilgrim Workshop 2010 Program

General Theme:

North East Asia in a global context: Building effective institutional architectures