目次

  1. 研究概要
    1. 概要
    2. メンバー
    3. 目的
  2. 研究背景
  3. 研究内容
    1. 知識共有
      1. クイズ国物語り
      2. なんでも天秤
      3. つみきんぐりっしゅ
      4. JIMOTY
      5. Eravox
      6. Book's Marking
      7. めもサーチ
    2. 創発支援
      1. AKI 黒板 Edu
      2. Your Face Now!
      3. 楽書き
      4. SyuTube
    3. 機会実践
      1. ぴかっとート
      2. voitwi
      3. 音の輪
      4. まねビール
      5. 予感テーブル
  4. 展示会
  5. トークセッション
  6. アンケート
  7. まとめ
  8. 報道・対外発表
  9. 謝辞
  10. 連絡先

研究概要

概要

安村研究室ではインタラクションデザインを実世界に適用するという観点により、これまで、家展、電車展、カフェ展、おしゃれ展、時間展、ワークプレイス展を開催してきた。今回我々は、「学び」に着目し、まなび展を開催すると同時に、学びに関するインタフェースデザインの研究を行なった。

メンバー

教員

安村 通晃
環境情報学部 教授
樋口 文人
環境情報学部 非常勤講師

大学院生

上野 大樹
政策・メディア研究科 博士課程 1年
菅原 圭
政策・メディア研究科 修士課程 2年
加藤 大騎
政策・メディア研究科 修士課程 2年
藤沢 和哉
政策・メディア研究科 修士課程 1年
元良 龍太郎
政策・メディア研究科 修士課程 1年
森住 直俊
政策・メディア研究科 修士課程 1年
吉原 建
政策・メディア研究科 修士課程 1年

学部生

秋山 博紀
環境情報学部 4年
白崎 琢也
環境情報学部 4年
野呂 瑛利沙
環境情報学部 4年
皆月 克人
環境情報学部 4年
山本 伶
環境情報学部 4年
大西 朗
総合政策学部 4年
小塚 涼子
総合政策学部 4年
鈴木 萌里子
総合政策学部 4年
大竹 将太郎
環境情報学部 3年
加藤 可奈
環境情報学部 3年
鳥山 幸祐
環境情報学部 3年
細矢 つかさ
環境情報学部 3年
三浦 直也
環境情報学部 3年
岩崎 恵美
環境情報学部 2年
馬場 匠見
総合政策学部 2年

目的

我々は、産業構造の変化によって求められる新しい教育・学習システムをインタラクション研究の新たなフィールドと捉え、生活コンピューティング、ヒューマンインタフェース研究の実践の場としての教育・学習システムを主眼に置き、インタラクションデザインを実践し、次世代に求められるインタラクションデザインを実践する。我々は、研究の早い段階で体験可能なプロトタイプを作製し、実社会からの評価を取り入れ、よりアカデミックな学会発表や論文投稿につなげることを目的としてまなび展を企画した。

研究背景

情報化社会の発達に伴い特許ビジネスやコンテンツビジネスなどのいわゆる知識産業の興隆が起き、知的な財産となりうるものを創造できる人材の育成が重要性を増している。特に、かねてより資源が乏しいと指摘される日本にとって、創造力を高める教育・学習システムをつくることが大きな課題となっている。

しかし、人を育てることを目的として多くの時間を費やす各種学校では未だに教師が生徒に教科書の中身を教える画一的な教育が行われている。そもそも学校教育の成立は、産業革命期に工場労働制にとっての優秀な人材の育成を目的として起きたものであり、クリエイティビティが求められる21世紀の情報化社会において教育・学習システムの改革は急務となっている。

体力や従順さ以外の新しい能力が求められる知識産業の人材を育成するには、学校という閉鎖的な場所に依らない教育・学習システム、教師と生徒という主従関係に依らない教育・学習システム、一生涯の学びを継続的に支援する教育・学習システムの構築が必須である。

人間は、教師や書物から外的刺激を受け、記憶や推論などの自己処理をし、再び行動に反映することで学習し、自己成長を果たす。この構造は、インタラクションデザインに常に念頭におかれる「知覚、認知、行動」という認知情報処理の3ステップと等価である。本来あるべき「学び」の姿を取り戻し、教育・学習システムを時代に沿う新たなものへ発展させるには、場所や年齢にとらわれない新たな空間的時間的ユビキタス化を図り、学びの空間における人間の行為・活動を観察し、情報システムやヒューマンインタフェースの発想を取り入れることが重要となる。

研究内容

硬直した教育・学習システムは思考の画一化を強制し、子どもの視野を狭めることでいじめや過剰な偏差値教育を促し続けていた。知識産業への対応が大きな課題となる今日に求められる創造的な人材の育成を図るべく、継続的な教育・学習システムの構築にインタラクションデザインの手法を取り入れることで、生涯にわたる様々な局面の学びを支援する教育支援システムを構築する。

安村研究室では新しい教育・学習システムに必要な要素を以下の3つにクラスタリングし、これらの分類を複合的に活用することで新しい教育支援システムの構築を図り、まなびの場における空間的時間的ユビキタス化インタラクションデザインを実践するため、以下のプロダクトをプロトタイピングした。詳細は各ページを参照。

知識共有

  1. クイズ国物語り
  2. なんでも天秤
  3. つみきんぐりっしゅ
  4. JIMOTY
  5. Eravox
  6. Book's Marking
  7. めもサーチ

創発支援

  1. AKI 黒板 Edu
  2. Your Face Now!
  3. 楽書き
  4. SyuTube

機会実践

  1. ぴかっとート
  2. voitwi
  3. 音の輪
  4. まねビール
  5. 予感テーブル

展示会

研究の早い段階から体験可能なプロトタイプを実装し、実社会からの評価を取り入れ、よりアカデミックな学会発表や論文投稿に活かす目的として「まなび展」を以下の概要で実施した。

会場
ギャラリー・カーサタナ
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-23-15
開催日程
2010年9月16日(木)~2010年9月18日(土)
公式Webサイト
http://ylab.sfc.keio.ac.jp/manabi-ten/

トークセッション

「学び」を考える現場の最前線を知るため、以下3つのトークセッションを開催した。各回とも好評を博しての盛況となった。また、活発な質疑応答もみられた。

科学館の展示を通したまなびの実践から

ゲスト
美馬 のゆり - 公立はこだて未来大学教授、元日本科学未来館副館長
開催日時
9月16日(木)14:00~15:30

ワクワクさんが語る工作の楽しさ

ゲスト
久保田 雅人 - NHK教育テレビ『つくってあそぼ』「ワクワクさん」
開催日時
9月17日(金)14:00~15:30

チームビルディングにおけるまなびの実践

ゲスト
吉田 和美 - チームビルディングジャパン シニアファシリテーター
開催日時
9月18日(土)14:00~15:30

アンケート

以下の概要でまなび展実施中、来場者に対してアンケートを実施した。

実施期間
2010年9月16日(木)~2009年9月18日(土)
実施方法
質問紙による手書き回答(選択式、自由回答式)

まなび展を何で知りましたか

1日目2日目3日目
開催案内メール541
まなび展公式Webサイト137
友人・知人82921
Twitter254
新聞・雑誌・Webサイト131
その他7810
合計245244

「まなび」というテーマに興味を持てましたか?

1日目2日目3日目合計
1(より持てなかった)0000
20000
31629
437515
5(より持てた)18353689
合計224843
平均(重み付け)4.77 4.60 4.79

会場の雰囲気はテーマとマッチしていましたか?

1日目2日目3日目合計
1(より持てなかった)0000
21304
32439
4510520
5(より持てた)14233269
合計404040
平均(重み付け)4.73 4.33 4.73

スタッフの説明はわかりやすかったですか?

1日目2日目3日目合計
1(より持てなかった)0000
20202
353311
439517
5(より持てた)14283274
合計404240
平均(重み付け)4.73 4.50 4.73

興味を持った作品がありましたら、教えてください(複数回答可)

1日目2日目3日目合計
AKI 黒板 Edu10322264
ぴかっとート39416
音の輪613827
クイズ国物語25512
Your Face Now!17614
まねびール4101024
再時机1001
なんでも天秤11151541
SyuTube481830
つみきんぐりっしゅ191222
JIMOTY27413
Eravox3111529
Book's Marking7141435
予感テーブル4172243
楽書き413623
voitwi415928
めもサーチ1225

実際に使ってみたい作品がありましたら、教えてください(複数回答可)

1日目2日目3日目合計
AKI 黒板 Edu11241752
ぴかっとート1427
音の輪510520
クイズ国物語1247
Your Face Now!0347
まねびール3339
再時机0000
なんでも天秤761124
SyuTube25815
つみきんぐりっしゅ1348
JIMOTY1247
Eravox351220
Book's Marking514827
予感テーブル0101525
楽書き16310
voitwi29718
めもサーチ1236

その他、作品へのご意見・ご感想がありましたら、教えてください。

意見多数につき、一部のみ抜粋。

トークセッションは面白い・興味深いものでしたでしょうか? ご意見、ご感想などがありましたら教えてください。

意見多数につき、一部のみ抜粋。

1日目「科学館の展示を通したまなびの実践から」 ゲスト:美馬 のゆり

2日目「ワクワクさんが語る工作の楽しさ」 ゲスト:久保田 雅人

3日目「チームビルディングにおけるまなびの実践」 ゲスト:吉田 和美

ご自身にとって、最も印象深い「まなび」のエピソードを教えてください。

意見多数につき、一部のみ抜粋。

ご自身にとって、最も印象深い「学校教育での授業」のエピソードを教えてください。

意見多数につき、一部のみ抜粋。

その他のご意見、ご感想や安村研への要望、今後扱ってほしい展示会テーマなど、なんでもご自由にご記入ください。

意見多数につき、一部のみ抜粋。

まとめ

本プロジェクトの実施により、空間的時間的ユビキタス化が進む新しい学びに関する研究と、学びのインタラクションデザインを研究した。その取り組みの一環として我々は研究の早期に体験可能なプロトタイプの作製し、実社会からの評価を取り入れることができた。今後その評価をもとに研究を深め、よりアカデミックな学会発表や論文投稿につなげる。

報道・対外発表

報道

BS JAPAN 世の中進歩堂 「21世紀の発明王が登場!?」
2010年11月5日(金) 夜10時24分〜夜10時54分

対外発表

WISS2010
  • Book’s Marking:場所をきっかけに本と出会うためのシステム
    吉原建, 安村通晃
  • 予感テーブル:著名人との出会い支援システム
    元良龍太郎, 藤沢和哉, 安村通晃
第52回 プログラミングシンポジウム
  • 予感テーブル:マイクロブログのイベント情報を利用した著名人との出会い支援システム
    藤沢和哉, 元良龍太郎, 安村通晃
インタラクション2011
  • Rirekipad : 閲覧時の状況を付加したWeb履歴サービスの提案と実装
    山本伶, 安村通晃
  • VoiTwi:スマートフォンのジェスチャー操作を用いた音声Twitterシステムの提案と実装
    上野大樹, 安村通晃
  • AKI 黒板 Edu:使用感とインタラクティブ性に重点をおいた電子黒板
    秋山博紀, 安村通晃
PECCS2011
  • YOKAN TABLE - An Intermediary System between Notables and People
    Kazuya Fujisawa, Ryutaro Motora and Michiaki Yasumura
  • BOOK’S MARKING - The System for Finding the Books based on Location Information
    Takeru Yoshihara and Michiaki Yasumura

謝辞

本プロジェクト実施において、その研究遂行に協力いただいた安村研究室(Interaction Design Project)の教員・学生の皆様、そして約120名にのぼる来場者の皆様に感謝したい。

本研究は、2010年度学術交流支援資金の支援の下に行われた。

連絡先

慶應義塾大学環境情報学部 安村研究室
http://ylab.sfc.keio.ac.jp/