2011年度学術交流支援資金研究報告(外国語電子教材開発)

 

【課題名】 スポーツバイオメカニクス

【申請者】 政策・メディア研究科准教授 仰木裕嗣

【研究助成金額】550千円

 

【研究概要】

 スポーツバイオメカニクスは,ヒトの運動を解析する力学的手法をスポーツ運動に対して適用する学問である.スポーツバイオメカニクスを学ぶにあたっては,高校までで学んだ数学のうち,三角関数や幾何学,微積分の知識が必要とされる.また,これらの基礎知識を前提にし,初等力学を用いて計算問題を繰り返し練習する必要がある.これまでも国内には,多くの教科書が存在したが,基本的なスポーツバイオメカニクスの知識の提供が主であって,実際に練習問題を解く部分に注力した教科書が非常に少なかったと言える.

そこで,2011年度は,本授業における教科書として多くの例題を用意している,James Watkins著,An Introduction to Biomechanics of Sport and Exerciseを採用した.氏の著書である,この本は平易に初等力学をスポーツ運動を題材にしており,数学受験者の少ないSFCの学部生にとって適していると考えた.この教科書には本論以外に,章末ごとに練習問題が提示されており,実際の実験データや,競技会における記録データなど,学生の興味を惹く話題を練習問題にするなど,ふんだんに工夫が凝らされている.我々の研究室では,スポーツバイオメカニクスを学ぼうとする学生に広く用いてもらうため,著者である,James Watkins氏の許可を得た上で,本教科書の章末問題を,和訳/アラビヤ語訳することを課題とした.

アラビヤ語圏において,スポーツバイオメカニクスを専門とする研究者は,現在のところ皆無と言ってもよい.現状では,スポーツバイオメカニクスに限らず,スポーツ科学全般はアラビヤ語圏においては学問領域として認められていないと言っても過言ではない.しかしながら,アラブの春に代表されるように,今後アラビヤ語圏における民主化が進むなかで,スポーツサイエンスやヘルスサイエンスなどの分野が,近い将来必ず学問領域のひとつとして取り組まれるであろうと考えて,本プロジェクト内ではアラビヤ語訳にも取り組んだ.

 

【研究目的】

本研究の目的は, James Watkins著,An Introduction to Biomechanics of Sport and Exerciseにおいて提示されている,章末練習問題の全てを日本語訳,アラビヤ語訳し,スポーツバイオメカニクスを学ぼうとする学生に対して提供することを目的とした.

 

【研究課題】

 目的で述べたように,本プロジェクトでは,James Watkins著,An Introduction to Biomechanics of Sport and Exerciseにおいて提示されている,章末練習問題の全てを日本語訳,アラビヤ語訳を作成し,原文の英語による問題との対訳Webサイトを構築した.練習問題解答についても各語種版を用意した.

 

【研究成果】

取り組んだ課題は,以下にまとめられている.

 

http://www.sports.sfc.keio.ac.jp/SportsBiomechanics/Top_En.html