サイバーワールドモデリングと医学への応用プロジェクトでは、 遠隔医療でのシミュレーションをリアルタイムに行うために、 以下の3点を研究課題として研究を進めた。
上記の課題を解決するものとして、以下の研究を行った。
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田中乃悟、富岡圭、小林正弘、千代倉弘明、 |
「3次元表示機能によるCT画像閲覧の補助法」 |
コンピュータ支援外科学会誌、1998. |
CTデータから3次元形状を再構成し、3次元形状の断面図としてCT画像を表示する システムの開発。3次元形状の任意の部分を輪切りにし、CT画像を閲覧することが 可能となる。 http://elf.sfc.keio.ac.jp/~daigo/e-clone(非常にデータが重たいので注意) にて公開中。 |
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Daigo Tanaka, Masahiro Kobayashi, Hiroaki Chiyokura, |
Surgical simulation system for cleft lip repair, |
CARS’99 ポスターセッション. |
形成外科手術のシミュレーションシステムの開発。 実際の手術に先立って本システムでシミュレーションすることで、 正確性と安全性を向上させることができる。 |
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佐々木大地、山川総司、千代倉弘明 |
「自由形状変形によるアニメーション機能をもったVRMLのビヘイビアオーサリングシステム」 |
NICOGRAPH/MULTIMEDIA論文集、1998. |
ポリゴンモデルにアニメーションを付加するシステムと、その基盤となる VRMLベースのツールキットの開発。 遠隔医療システムのリアルタイム処理ライブラリとして利用することが可能。 VRMLベースのツールキットは http://pegasus.sfc.keio.ac.jp/valkyrie/ にて公開中。 |
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佐々木 大地 |
「形状変形機能を有する VRML アニメーションオーサリングツールの開発」 |
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士論文, 1999. |
上と同じ。 |
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佐野 裕 |
「型立体を用いた形状の対話的局所変形に関する研究」 |
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士論文, 1999. |
位相的な拘束を意識せずにポリゴンモデルを局所的に変形させる技術の開発。 手術シミュレーションシステムにおいて、形状データの変形に応用可能。 |
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脇田 玲 |
「四辺形領域分割手法を用いたポリゴンメッシュの曲面化に関する研究」 |
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士論文, 1999. |
ポリゴンモデルを自由曲面モデルに変換し、柔軟な変形と大幅なデータ圧縮を可能にする技術の開発。遠隔医療システムに用いる膨大な形状データを、高速に転送することが 可能になる。また、従来のポリゴンベースの手術シミュレーションシステムと異なる柔軟な変形が可能になるため、シミュレーションをより現実的なものにすることが可能。 |
本研究では、「遠隔医療におけるリアルタイム3次元シミュレーション」を 実現させるために、様々な基礎技術とそれに基づくシステムの開発を行ってきた。 これらの技術を用いることより、遠隔医療システムの動作を高速化することが可能 になる。今後は、これらの個々の技術を組み合わせて、より統合的で具体的な システムの開発を行っていきたい。