98年度森基金助成研究(国際共同研究)

「東アジア大都市の居住環境に関する意識調査」

報告書

 

研究代表者 塚越 功

 

 

1. 研究目的と研究の概要

 この研究は、大都市研究グループ(塚越 功、日端 康雄、金安岩男、久保幸夫、他)が中心に、アジアの都市・建築系の大学と共同で1995年度以来続けている一連の研究の一環で、1997年度から実施している "Living Conditions in Asian Megacities"の一環として行ったものである。

 この研究の基礎となるのは、1997年に東京、上海、台北、ソウル、バンコクで共通のフォームを用いて実施したアンケート調査であり、各都市ごとに大都市居住地区を選定し、概ね600票のアンケートを配布して、1.家族の概要 2.住宅の概要 3. 交通条件 4.防犯・防災 5.家の明るさと眺望 6.緑地環境 7.衛生環境 8.理想とする居住環境に関する調査を行ったものである。

 98年度は、この調査結果を吟味し、研究報告をまとめるため、上海の同済大学、台北の台湾国立大学、ソウルの国立ソウル大学、バンコクのチュラロンコン大学と情報交流を行うとともに、今回対象とした都市以外の居住条件についても研究を進展させるための調査を行うことにし、このため森基金の研究助成を受けた。

 

2. 助成金の使途および98年度研究活動

助成金額:100万円

支出内容:下記調査を実施するための海外旅費

 

 98年度研究活動として、次の現地調査を行った。

(1)ソウルの調査結果についての打ち合わせのために修士学生をソウルに派遣(9月)

(2)アジアと北アフリカの伝統的居住環境の比較のため修士学生をチュニスに派遣(10-11月)

(3)新たに北京の精華大学、香港の香港中文大学の協力を得て研究対象都市を拡大するため、北京香港を訪問(3月)

 

3. 研究成果

 下記の文献に研究成果を発表。

1)「Proceedings of the Third Inter-University Seminar」湘南藤沢学会,1999.3

2)塚越 功「居住者の住環境評価における安全性の重要度」日本建築学会研究発表梗概集,1998.9

3)「アジア大都市住民の安全性に対する要求度--The Requirement of Safety for Living Conditions in Asian Megacities」地域安全学会98年度研究発表会論文集, 1998.11