(「研究育成費 修士課程・博士課程」)
研究課題名: | アクセス制御エージェントにおける小規模なインタネット課金システムの設計、実装と応用性の評価 |
研究代表者氏名: | Alexander Frericks(フレーリックス・アレクサンダー) |
所属: | 政策・メディア研究科 |
本研究の目標は、サービス品質を提供できる将来のインターネット用、小規模な課金 システムである。こういう小規模な課金システムにより、一般ユーザの(稀少なリソース であるサービス品質への)アクセスを効率的に制御することが可能になり、インターネット 技術に基づいて全てのネットのサービス(例:電話網、CATV)を統合的に提供する次世代 インターネットの普及が、研究範囲を超え、実際に商業の範囲でも成功することを期待する。
近年、インターネットがますますプライベートやビジネスの目的で利用されている。さらに、 インターネット技術によって、従来のネット(電話網、CATVなど)の全てのサービスを一つの ネットに統合させる方向に向かっている。ユーザはそういうサービスに必要な「サービス品質」 (例:帯域、遅延)を動的に予約でき、インターネットがその要求されたサービス品質を保証 できる事が期待される。しかし、そのために必要な送信技術に関する研究がますます進んでいる のに、現在のインターネットにおける課金モデルは決してこのようなサービス提供に適応できな い。
現在の課金は大きく分けて2つの問題がある。一つは、課金は帯域幅の最大値に合わせた月額 で行われるため、一時的に広帯域の通信を行いたくても、その最大値にあわせた帯域幅を常に 確保しておくのは経済的ではないという問題である。もう一つは、インターネットバックボーン から遠く、何ヶ所かで輻輳によってトラフィックが遅延され、実際にはインターネット上の殆ど の宛先に対して帯域が非常に減少しても、ユーザは要求した帯域幅に着目して請求される。 この問題は、接続の帯域幅に応じた一定額を上流プロバイダに支払うという課金構造および 通信の実際の受益者を定義できないという2つの理由に起因する。こうした問題を解決する ために、主には次の三つの条件を満たす必要がある。
本研究は、これらを実現することを目的とし、課金機構を構築し、小規模な課金システム の実装および応用性に関する評価を行う。経済学者に小規模な課金が求められているが、 工学業界は実装と応用性の評価による証拠がほとんどないため、「広域ネットワークでスケール しないため、不可能だ」という意見が今でも多い。本研究により、こういう小規模な課金 システムに対する意見を変更することを期待する。さらに、こうした小規模な課金システムは、 稀少なリソースであるサービス品質への一般ユーザのアクセスを効率的に制御することを可能 にするため、次世代インターネットの一般ユーザまでの普及にも大きく貢献できるではないか と思う。
課金に関する研究は、今でも殆どサービスの適切な値段を決める方法しか考えていない。また、
新しい課金システムに向ける提案は厳密な受益者負担を行わないか、実現されているプロトコル
に依存するために上記の条件を全て実現する事はできない。
ここは、本研究の代表であるAlexander Frericksが、前述の条件を一つの課金システムに統合
する、予約サービス品質と実際の利用リソースの2点に着目した課金モデルを考えて、本研究
の中で、このモデルを課金システムへの他の提案と比較し、ユーザ、プロバイダー、そして
ネットワーク管理者の要求に基づきながら評価を行った。利点または欠点として次の点を
洗い出た:
開発環境の整備は完成でき、これからそこの方も積極的に進むつもりである。只今開発範囲を 決めつつで、4月から実際の実装を開始する予定である。整備した開発環境は下記の通りである:
実装を可能にする課金モデルができたし、これからも実装の経験を反省しながら見直す。 開発環境の整備もできたので、これから課金システムの開発につながる次のものを実装・ 評価を行う:
値段(コスト)をどう表現するかを別にしても、接続(インタフェース、サービス) のコストを交換する必要がある。送信者・受信者のコストを分割できるため、予め コストを分からないといけない。フロー毎にパスを沿ってコストを加算することは スケーラビリティを犯す。従って、情報を適切に減少する必要がある。インタフェース とサービス毎の値段を交換できると、コスト分割に目的地の情報(腰細)は必要では ないと思われる。
マルチキャスト課金方法の設計と評価当モデルにより、1対1のコミュニケーションの場合、 総コストを比較的に容易に計算できる。マルチキャスト通信(1対n)の場合は、配布ツリー に合わせて通信コストをスプリットする必要がある。しかしながら、マルチキャスト グループ構成は通信中に動的に変動し、高価格通信コストの拒否の結果、実際の通信が 起こる前に配布ツリー構成とそれとともに総コストのコスト・スプリット構成が変動する。 したがって、プロバイダが安定したコストを保証できない。値段情報を予め交換できたら 次のステップとしてマルチキャストの(値段に起因する)不安定を減少できるようになる。