結果

被験者A,B,2人の環境属性に対する選好重要度と各属性一単位の貨幣価値を以下の表に示す.被験者Aは,交通利便性の重要度が高く次いで保険,災害及び緑地と続く.被験者BはAよりも更に明確な強い選好を持ち,災害を6割弱,緑地を3割弱,残り1.5割強のウエイトで保険額を評価している.
 
 
環境属性
人口 商業 交通 用途 災害 緑地 保険
回帰係数A
0.006
-0.056
-0.400 0.500 -2.500 -4.347 -0.500
B
4.1e16 -2.3e17 1.1e17 2.4e16 -10.000 6.696 -0.333
重要度A
5.56 5.56 44.44 5.56 11.00 11.00 16.66
B
0 0 0 0 57.14 28.57 14.29
限界WTPA
0.01+ 0.10- 0.80- 1.00+ 5.00- 8.70
-
B
0* 0* 0* 0* 30.00- 26.09+ -
単位:重要度(%)、限界支払い意志額(万円)
*非常に0に近い値
 

また環境属性の重要度と属性量の直積から推定した各被験者の土地評価を以下の図(右)に示す.
この選好依存型土地評価マップは,上のn表にあげた環境属性データカバレッジを100mグリッドに変換し,各レイヤをグリッドスタックに格納することにより空間解析を行った。
図2左は,平成3年の公示地価を教師データにしてヘドニックアプローチにより求めたものである.右の被験者Aに関する選好依存型土地評価マップは,従来の公示地価と同じ交通利便性を強く評価するにも関わらず、それに災害危険度や緑地率が関わってくるので、単位を別とするものの全体としても左と大きく異なる評価高低の傾向を確認することができる.