平成11年度森泰吉郎記念研究振興基金 プロジェクト科目助成費A 研究成果報告書

データベース構築とその運用をめぐっての概念形成

近代日本とアジア・北太平洋(JANP)プロジェクト(代表:梅垣理郎・総合政策学部教授)

研究概要

 本研究の主題は近代化の影響を「人間の移動」という視点から分析する点にあった。 このために第一には「女性」・「老人」・「少数民族」といった対象についての情報 (テキスト・画像・音像など)をインターラクティブな形で公開可能なマルチメディアデータベースを構築していくこと、第二には先に挙げた対象が近代化の過程でいかなる変容をとげたのか、また従来の歴史学を問い直しながら問題解決のためにどのようなデータベースが必要とされるのか、などデータベース構築に不可欠な概念の考察を行った。

主な活動

 「Resarch on the Net-2000 Years of History」のテーマ軸のひとつ、 「グローバル・ディアスポラ」の領域における プライマリー・マルチメディア・ データベース (http://ron.janp.sfc.keio.ac.jp/) の構築が、本年度の主な活動内容である。 具体的には以下のようなことを行った。

  1. 入管法データベースの充実
  2. 御雇外国人データベースの充実
  3. 現地でのデータ収集・調査
  4. 人的ネットワークの拡大(タイ・ベトナムその他)
  5. ウルトラシークによる検索システム開始

  現地調査による一次資料の収集や、その為の人的基盤の確立といった「現場での 活動」と、得られた史資料をデータベースのコンテンツとして昇華し、また 検索エンジンなど技術的な作業などの「研究室での活動」との両面からの、 研究活動を精力的に行った。また研究活動の過程で得られた経験や知見を、 議論し共有する場として前年度に引き続き、 第2回国際ワークショップ(2000年3月4〜7日)を企画・運営した。

成果

 本年度の研究活動の結果、現在、以下のデータベースが運用中である。

 両者は今後もコンテンツの拡充及び、システムの更新などを随時行い、 より実践的なデータベースの提供を目指していく。