自己組織化特徴マップによるハイパースペクトラム画像の特徴可視化 技術

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自己組織化特徴マップによるハイパースペクトラム画像の特徴可視化技術

概要

本手法はコホーネンの自己組織化特徴マップ(SOM)により、異 なる波長で撮影した任意枚数のハイパースペクトラム分光画像の特徴を色で表 すことができる。従来のクラスタリング手法と較べて、最適なクラスター分割 数が未知の場合でも特徴を強調した出力画像が得られるという利点がある。

手法

同一個所の分光画像を複数枚撮影し、全ピクセルを SOMによって LUV色空間にマッピングする。 LUV色空間は空間内の ユークリッド距離と人間の感じる色差感覚が比例し ているという特徴を持つ。 SOMは入力画像の ピクセル濃淡特徴が近いものを LUV色空間内の近い 場所にマッピングし、濃淡特徴が遠いものを LUV色空間内の離れた 場所にマッピングするため、入力画像におけるピクセルごとの分光特徴の 差を色差で表現した出力を得ることができる。

実験結果

MRI画像を用いた実験結果を図2に示す。左3枚が入力画像、右端が出力結果 である。悪性脳腫瘍がコントラストの強い黄緑色で検出できた。

トマトの実験結果を図3に示す。左端のトマトは農薬を塗布たもので、 4個のトマトの固体差が各々色で表現さ れている。現時点では可視波長の測定にとどまっているが、近赤外波長および 紫外波長の測定により有効な特徴をもつ分光画像を得ることで、画像による野 菜検査の実現が期待される。


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