2000年度研究成果報告

政策・メディア研究科  博士課程一年 高橋恒一 

研究課題名:


大規模細胞シミュレーション技術の開発



研究課題の概要:


本研究では細胞システムの理解のために不可欠かつ強力なアプローチである 細胞の物理化学レベルでの大規模シミュレーション技術の基礎理論と技術開発を 行う。 三年間の研究期間を通じての主な研究目的は以下の三点である。つまり、(1)モデ リング理論、シミュレーション技術および解析手法の三面から理論的および技術 的基盤を整備する。(2)理論の実証および技術開発のプラットフォームとして、細 胞シミュレーションのためのソフトウエア環境であるE-CELL Simulation Environmentを開発、改良する。(3)大規模なモデリング/シミュレーションのため のプロジェクト管理手法やツール群を開発する。 


本年度の成果:

E-CELL Simulation Environment Version 1.0および1.0.1をリリースした。これらはE-CELL の安定版として広く利用されている。
また、大幅な設計の見直しと改良を伴った次世代版であるVersion 3 (Hekkoro) の基本設計を完了した。
(http://www.e-cell.org/poster/shafi/icsb00/icsb00.htm )
Hekkoroの開発はBioinformatics分野におけるOpenSource活動の普及を目的とした学術組織でありマサチューセッツ大学ローウェル校に本拠地を置くThe Open Lab(http://bioinformatics.org/project/?group_id=46 ) 上で完全公開式で開発を進めている。最初の開発者向けリリースは3月末を予定している。
カリフォルニア工科大が中心となって進めているXMLをベースとした細胞モデル記述言語(SBML)の開発にも参加
しており、おなじく3月には最初のリリース(level1)が予定されている。




主な発表活動およびワークショップ参加等: