研究手法

手法は大きく分けて2行程に分かれる。

相同性検索

まず始めにホモロジーの高い遺伝子を検索した。

ホモロジー=(相同性の事、遺伝子同士がどの程度にているかを数値化して表す。似ている遺伝子は進化上近い)

現在耐熱性解析の最も望むべく解析対象データは、同種のバクテリアによる比較が最も望ましい。
しかしながら、今だそれらのデータはパブリックではないため、我々は相同性の高い、つまり進化的に近縁である物を取り出し、それを代替データとして用いようという意図がある。

大きく、好熱菌8種、常温菌25種の2グループに分類した。
(詳細は左図を参照)
好熱菌8種は、常温菌25種全ての遺伝子に対し、FASTAプログラムを使用した。

(FASTAプログラム=ホモロジー検索プログラム。非常に有名なプログラム。似たプログラムとしてBLASTというものもある。
参照URL http://www.genome.ad.jp)


同様に常温菌25種は、自分自身のゲノムを除く、その他常温菌全ゲノムに対し
FASTAプログラムを使用した。

統計的検定

ホモロジー検索によって出てきたデータを母比率の検定(計算法は上図(3))を用いて統計的に処理した。

データセットは二つ用意

●常温菌25種 対 常温菌24種(自分自身をのぞくので1種減る)

↑こちらが母集団

●好熱菌8種 対 常温菌25種

↑こちらが対象データ

常温菌対常温菌の方を母集団と仮定し、それに対し好熱菌対常温菌種のデータに関し比率を検定する。
母集団である常温菌対常温菌について、データ総数を n1 とし、
1セット(たとえばシステインからアラニンへの置換、C→A)におけるアミノ酸置換数をCA1とすると、

C→Aの出現頻度は、

CA1/N1

となる。

(上図(2)を参照)

この計算を400通行う。

仮説(上図(1)を指す)としては、母集団と仮定した常温菌対常温菌の置換出現頻度をP1とし、
それにたいし好熱菌対常温菌の置換出現頻度をP2とする。双方の出現頻度が
等しいものという仮説を立て、検証を行う。

次へ