◇地球白書2000
「環境と情報技術は、@製造・使用・処分の影響、Aモニタリングとモデリング、
Bコミュニケーションネットワークの3つの分野で関係がある」
@製造・使用・処分の影響
→半導体・回路基板・モニター装置の製造の際に使用される有害化学物質の現状把握
Aモニタリングとモデリング
→東南アジアの熱帯雨林火災のひろがり、南極上空のオゾン層破壊、
アラル海の縮小状況、環境シナリオ(都市交通の選択肢、世界の化石燃料の燃焼)
(→現状把握と将来予測)
Bコミュニケーション・ネットワーク
→遠隔地への情報伝達→教育プログラム拡大、医療情報・応急処置情報の提供
田舎の農家・企業家の都市市場へのアクセス拡大
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A:ITの要素(情報の収集・蓄積・分析・共有・伝達)
B:環境問題の要素(持続可能な発展の推進)
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<紙消費と情報技術>
A インターネット商取引
↓
B 広告に使用される紙の需要削減、梱包・包装用紙の必要性増加
*先進国における人口1人あたりの印刷・筆記用紙の消費量(1988→1998)→24%増加
<電力消費と情報技術>
A 電気・通信危機
↓
B オフィス機器の急速な伸びからくる商業部門のエネルギー需要増大、
効率向上による産業部門のエネルギー需要低減
*エネルギー使用量の伸び率と経済成長率が直結せず
<交通運輸と情報技術>
A 物理的移動時間の生産性増大・距離感の縮小
↓
B 交通渋滞の緩和、排出ガス削減
<消費行動とインターネット>
〜電子商取引〜
A1 書籍・音楽・写真・ビデオなどの製品のインターネット上での売買、直接送電
↓
B1 材料やエネルギーの削減
A2 オンライン・オークション場の登場
↓
B2 中古製品の活用(廃品→資源へ)、企業と個人のつながり強化
A3 テレビという情報技術=強力な広告媒体(商取引とエンターテイメントの拡大)
↓
B3 消費過剰へ
<モニタリング>
A1 コンピュータと地理情報システム(GIS)のソフトウェアが
衛星で得られた画像を蓄積、分析、操作
↓
B1 地上のモニタリングやその他のデータを重ね合わせて、汚染などの環境問題の検討、
特定の資源の豊かな地域の同定、環境変化のモデル化研究
*政策の意思決定者や計画者にとって、有益
A2 衛星技術
↓
B2 大気圏の最も遠いところ、海洋の最も深いところ、氷に覆われた極地、森林内部など、
人間が足を踏み入れない地点の詳細な情報収集
A3 衛星に乗せられた遠隔センサー
↓
B3 広範な地域を長期的に記録+相当高度な分解能
A4 GIS利用
(気候を支配する物理の規則的法則を利用する気候プログラム)
↓
B4 地球の地形と、土地・海洋・大気のさまざまなプロセスを考慮して、
さまざまなガス(CO2,硫酸塩エアゾル)の増加のシミュレーションの実現
A5 GIS利用 (ここでは、比較的単純な装置を使用)
↓
B5 ニューヨークにおける、ゴミ回収施設などと、
喘息やガンの症例多発地域とを重ねる地図を作成
<持続可能な開発のためのネットワーキング>
A1 通信技術のネットワーキングの力
↓
B1 科学者にとっての環境データへのアクセスの容易さ
環境NGOにとっての非常事態への対応のすばやさ
政府・NGOにとっての情報伝達の容易さ
<教育と情報提供>
A1 通信機器の普及の広範囲性
↓
B1 教育や情報提供へ
→家族計画、こどもの生存、エイズ予防に関する情報提供
→エイズの伝染、発見、予防を扱うドラマ放映
A2 インターネット→放送と双方間情報交換の組み合わせを実現
↓
B2 環境問題を扱う研究者や科学者間の協力の実現→アイデア交換・データ共有
A3 インターネット・通信技術
↓
B3 世界の主要な博物館に収められている生物学的資源に関する情報を
インターネットに掲載→情報提供・環境教育・意識啓発
<草の根運動のツール>
A1 世界的通信ネットワーク
↓
B1 環境NGO活動→政府の政策へ影響
ex.1 NGOの地雷禁止キャンペーン活動→地雷禁止条約成立
→NGOに対してノーベル平和賞受賞
ex.2 HPに訪れた人が、政府関係者や企業の重役に、直接、メールやFAX可
A1 環境問題の情報流通ネットワーキング
↓
B1 非常事態への対応(環境問題の専門家からの迅速で詳細なアドバイス)
A1 政府機関・NGOによる環境汚染の情報開示
↓
B1 汚染原因である企業態度の改善の実現・汚染削減へのインセンティブ
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