2000年度森基金 活動報告書

マルチキャスト、IPv6を用いた広帯域インターネットにおける
放送方映像配信機構に関する研究


慶應義塾大学政策メディア研究科1年
廣石透(to-ru@sfc.wide.ad.jp)

本研究の概要

近年、バックボーンと末端のネットワークとの帯域格差が以前と比 べ非常に大きくなっている。配信機構の基盤として、次世代ネットワーク基盤であ るIPv6、放送型ネットワークであるmulticast networkを用いる。また、広帯域ネッ トワークを利用する映像配信アプリケーションとしてDigital Videoを用いた映像 配信機構が存在し、本研究ではこのDigital Videoを用いて広帯域ネットワークと 末端のネットワークの格差による放送型映像配信する際に生じる問題を解決するシ ステムを構築することを目的とする。

研究活動

  • IPv6 multicastを利用したネットワークの運用

11台のマシンを設置し仮想的なネットワークを作り、IPv6スタッ クであるKameにポーティングされているPIM-SMを利用し、multicastネットワーク を運用した.

  • UDLRを利用したネットワークの運用

放送機構で重要になるのは、衛星回線を用いたマルチキャストである.衛星回線等を 利用したUni-directionalな回線を仮想的にbi-directionalな回線として利用でき るUDLRを利用し、先に述べたIPv6 multicastネットワークを運用した.

研究成果と今後の予定

  • IPv6 multicast、UDLRを利用したネットワークの運用

上記ネットワークにおいて問題となったことを反映させたい。 今回はMulticast Routingの中でもSPARCE-MODEのみの運用によって Multicastネットワークを構築した。来年度はより広範囲なネットワークへの 適応を考えた仕組みを検討してゆきたい。

  • Digital Videoを新たなコーデックへ

今期はIPv6 multicastネットワークの運用に力を注ぎ、Digital Videoを他の新た なコーデックへ変換する機構を構築するまでには至らなかったが、今回の実験による基盤ネットワークを利用して今後様々な実験を行ってゆく.