アンケート調査
集計:(2001年11月)
調査の場所:北京、上海、西安
調査時間:2001年7月から10月まで(代理調査含む)
携帯電話使用者のバックグラウンドの調査
サンプル数181名(上海:63; 北京:57; 西安:61)
個人收入 (月) |
家庭住房面積 |
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低收入 |
中等收入 |
高收入 |
小面積 |
中等面積 |
大面積 |
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(1000元以下) |
(1001-3000元) |
(3001元以上) |
(50平方米以下) |
(51-90平方米) |
(91平方米以上) |
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17.1% |
66.1% |
16.8% |
31.2% |
47.6% |
21.2% |
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教育レベル |
性別 |
年齢 |
婚姻状況 |
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中学校以下 |
高校・専門学校 |
大学以上 |
男 |
女 |
15-24歳 |
25-34歳 |
35-45歳 |
既婚 |
未婚 |
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11.3% |
36.1% |
52.6% |
54.8% |
45.2% |
27.0% |
34.7% |
38.3% |
63.2% |
36.2% |
|||||
以上の表から携帯電話使用者の特徴を抽出することができる。
1、性別は依然として男性を中心とした形態となっているが、昔のイメージと違って、男女の格差は段々縮まっている。
2、年齢上では、携帯電話使用者が3大都市とも25歳から45歳の年齢層で圧倒的に多い。しかし、若い年齢層にシフトする可能性は十分ある。15歳から24歳までの使用者も27%を占めるため、長い目で見ると潜在的な存在である。
3、個人収入と学歴からみると、やはり教育レベルが高くて、高収入の人が多い。月収は1001元から3000元間の中等収入者は3001元以上の高収入者よりやや低い。しかし、母集団が多いため、携帯使用者の66.1%も占めている。ここで、もし携帯電話の本体料金と通話料金をさらに安くし、コンテンツが充実すれば、キャリアの利益と繋げる可能性は高い。
4、携帯電話の普及率は学歴による影響が極めて大きい。高校以上の教育を受けたものが半分以上を占めることから携帯電話の使いやすさを考慮すべきではないかと思う。
5、婚姻状況から見るとやはり既婚者が6割以上を占める。ここから、携帯電話の使い道として、家庭連絡用と見なすことができる。
6、住宅面積注1から見ると、中等面積以上の所有者が圧倒的に多いため、購買能力の高い人々が携帯電話の使用者となっていることが分かる。
全体的に見ると、携帯使用者の職業はますます分散化していく傾向が見え、一般サラリーマン、学生などの携帯使用者は増える一方だ。携帯電話はもはやステータスシンボルの位置を失いつつある。
三大都市住民の携帯購入意欲の調査
サンプル数181名(上海:63; 北京:57; 西安:61)
この図表から、いくつかの問題点を抽出してみた。
1、まず購入意欲を示す人は購入意欲を示さない人より全体的に多い。潜在ユーザーを獲得する可能性は十分ある。
2、携帯購入意欲は月によって変化する。毎年の夏休みに携帯メーカーはイベントを続々繰り出して出して、より数多くのユーザーを獲得するために、値下げなどのキャンペーンを行う。それに対して10月に入ると、値下げキャンペーンなどが少なくなるために購入意欲が減ってしまったとみられる。この点については、キャリアとメーカーに大変重要なヒントを与えることができる。ボーナス時と休み期間を利用して積極的に宣伝すべきではないかという点である。
注1:中国では住宅面積の大きさは裕福度を測る手段の一つである。
携帯電話のロイヤルティ(携帯電話の機種変更の場合)
サンプル数81(西安)
同じくこのグラフから抽出できる問題点は以下である。
1、モトローラ、ノキアは依然として大衆に好かれている。国内のメーカーが頑張っているが、シェアはなかなか取れない。
2、モトローラは昔から人気があったため、先入観のおかげて、今までのシェアを保ってきた。そのモトローラに対して、ノキアは近年、ものすごく勢いでエリクソンを抜いて、シェアを確保してきた。
3、
この図から中国国内ブランドのシェアは低いため、WTOに加入してから、外国の技術などを吸収し、シェアを拡大する余地があることがわかる。
携帯電話の購入場所についての調査
サンプル数181名(上海:63; 北京:57; 西安:61)(7月〜10月)
このグラフから分ることは次のようである。
1、
消費者は携帯本体の品質、アフターサービスなどを考えた上で専門店で買う人が41%に上った。やはり専門店による安心感が一番だと考えている。中国では携帯電話は決して安いものではないため、買う際には十分の注意を払っている。
2、
消費者は購入場所の便利さも気になっているようだ。わざわざと遠く行くのはご免だという人もいれば、一旦壊れれば、修理するのが面倒だという人もいる。やはり中国電信の営業所の数は多いため、使いやすさに惹かれる人も少なくない。
キャンペーンによる携帯電話購入のアンケート
サンプル数181名(上海:63; 北京:57; 西安:61)(7月〜10月)
キャンペーン中に現在の携帯電話を買った&キャンペーン中に携帯電話を買う予定がある |
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|
キャンペーン中に携帯購入予定がある |
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|
|
yes |
no |
other |
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TOTAL |
キャンペーン中 |
yes |
68.0% |
12.0% |
20.0% |
|
100.0% |
携帯電話を買った |
no |
16.3% |
47.5% |
36.3% |
|
100.0% |
total |
|
28.6% |
39.0% |
32.4% |
|
100.0% |
以上の表からキャンペーンによる機種変更への影響が分かる.
1、このアンケートを集計する際、一つ面白い発見があった。つまり、最近、キャンペーン期間中に携帯電話を購入した人は機種変更する際にもキャンペーン期間中を利用したいと考える。同じく、最近非キャンペーン期間中で携帯電話を購入した人は、機種変更する際にも非キャンペーン期間中で携帯を購入したいと答えている。68%の人はキャンペーン期間中で携帯電話を購入したにもかかわらず、機種変更するならキャンペーン期間中にやりたいと表明し、12%の人はそれを否定した。20%の人は分からないと言う。
2、非キャンペーン期間中で携帯電話を購入した人の中でわずか16.3%の人がキャンペーン期間中機種変更をすると答えた。この数字はキャンペーン期間中に携帯電話を購入した人の数よりずいぶん少ない。47.5%の人は今度のキャンペーン期間中に携帯電話機種変更する予定はなくて、36.3%の人は分からないと言う。
WAP携帯電話についての調査
サンプル数181名(上海:63; 北京:57; 西安:61)(7月〜9月)
WAP携帯電話に対する認識度(表1) |
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日 期 |
2001年9月 |
2001年8月 |
2001年7月 |
サンプル数 |
61 |
60 |
61 |
知っている |
62% |
61% |
67% |
知らない |
38% |
39% |
33% |
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WAP携帯電話購入する予定(表2) |
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日 期 |
2001年9月 |
2001年8月 |
2001年7月 |
サンプル数 |
61 |
60 |
61 |
買うつもり |
21% |
26% |
25% |
買わない |
69% |
62% |
63% |
未定 |
10% |
12% |
12% |
表1から、WAP携帯電話に対する認識度が分かったが、知っている人は6割にしか過ぎなかった。日本で当たり前のiモードのような携帯電話を知っている人の数が少な過ぎると思うが、それはまた使う使わないのは別の問題で、単に知っているかどうかの問題で多くの人は知らないと答えている。この状況からみると携帯電話で通話しかできないという概念があまりに強すぎたのではないか。その反面、WAP携帯電話の優れた機能がわかれば、携帯電話の売れ行きはきっと良くなるだろう。
表2で、WAP携帯電話を知っているが、買うつもりがない人は7割近くを占めている。すなわち、WAP携帯電話を知っているが、具体的にどう使うのか、どういったメリットがあるのか、戸惑う人も多いようだ。つまり、携帯電話の宣伝力が欠けていることが分かる。使い方さえ分からないままでお金をつぎ込むわけがない。ここは携帯電話コンテンツサービスの大きな分かれ道となるかもしれない。
携帯価額(通話料、本体代金、初期費用)による携帯電話への影響
サンプル数181名(上海:63; 北京:57; 西安:61)(7月〜10月)
|
携帯電話本体価額 |
通話料金 |
初期費用 |
上海 |
14.9% |
76.6% |
8.5% |
北京 |
33% |
35.5% |
31.5% |
西安 |
42.9% |
50.0% |
7.1% |
以上の結果から見ると、やはり価額は消費者の購買意識をコントロールできる。この数字によって各地の状況には違いが見られるが、全体的に価額の影響は最も大きい。使用者は3種の金額に対する関心度はバラバラだか、通話料金の方は全体の5割近くを占めていることから、長期的にわたってやはり通話料金ワン・ウェイ式徴収が望ましい。それに従って、携帯メーカーと通信キャリアによる技術の進歩、合理的な経営方式、産業化の加速などが要求されるだろう。
現在の携帯電話の使用範囲は東部から西へ、都市から農村、少数民族へ、中国全体は漸く携帯使用ネットワークに入りつつある。携帯電話の使用者は昔の発達地域から内部地域にシフトしているが、やはり東部いわゆる沿海地域で圧倒的に使用者が多い状況から、携帯電話の価額調整をしなければ、全体的に広げること極めて困難だといえる。
携帯電話を持つ比率の調査
(上海; 北京; 西安)(7月〜9月)
日 期 |
2001年9月 |
2001年8月 |
2001年7月 |
サンプル数 |
55 |
60 |
68 |
携帯電話を持っている |
55% |
52% |
50% |
持っていない |
45% |
48% |
50% |
以上の3大都市の携帯電話所有率はいずれも50%以上であり、現在中国の10%の平均値よりずいぶん高いことから、携帯電話の使用者はまだまだ大都市に集中していることが分かる。従って、都心部の豊かさによる消費現象と見なしても良い。これから、残りの90%シェアを獲得するには、更なる価額調整をすべきだと思う。しかもこの問題はコアであり、一日でも速く解決すべきである。
以下の表は西安市のみの調査だが、全国同じような問題を抱えていると考えてよい。
表によると、満足度が高いのは支払方法で、不満度が高いのは故障処理の対応である。この2点から中国の携帯電話サービスの特徴を伺うことができる。つまり、アフターサービスの不足と中国経済全体の発展の早さがわかる。中国は現在10%の使用者にしか過ぎなず、潜在ユーザーの広大な存在が考えられることからメーカーと通信キャリアの高慢さが見え隠れする。「一人が去れば、1万人くる」という考え方があるようだ。潜在ユーザーの数はメーカーと通信キャリアにとって使い切れない資源(現時点)となっている。従って、彼らはアフターサービスに対して情熱を感じていない。全体的なサービス精神が48%という割合は欧米(携帯電話の先進国)から見ると不思議と思われても仕方がない。