衛星リモートセンシングによる中国江蘇省太湖における水質モニタリング


慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 修士課程2年
Geo-informaticsプログラム
八塚俊次郎

はじめに

21世紀において、人類の持続可能な発展に求められることの一つとして、水資源管理が挙げられます。それは、人間活動において直接的に水資源が必要とされることからのみならず、生態系の機能保全という観点からも求められます。
本研究では、水環境の中でも湖沼における環境に焦点をあて、そのモニタリング技術としての衛星リモートセンシングの有効性について考察します。

内容の説明

湖沼といったローカルなスケールを解析の対象とするため、高空間分解能リモートセンシングを用いました。中国江蘇省の太湖を対象とし、水質推定画像を作成し、それをERSDACより配布されているASTER高次プロダクトの一つである相対DEMを用いて3D-Visualizationを行いました。
中国科学院発行の用戸簡訊(2002)によると、太湖におけるChlorophyll-a量はNIR/REDと相関が高かったと言う報告がなされています。よって、ここでもこの推定モデルを2002年7月29日に観測されたLandsat7/ETM+に適用し、Chlorophyll-a量推定画像を作成しました。

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考察

この太湖のケースでは、2002年7月29日時点では、梅梁湖の西岸沿いと太湖西岸沿いにおいて、顕著に高い値を示していることがわかります。これらを見ると、高解像度衛星を用いることで、沿岸沿いや流入河川の河口における面的な汚濁分布の様子を確認できることがわかります。