2002年度 森泰吉郎記念研究振興基金 報告書 

  MediaDesignProgram InakageStudio所属 政策メディア科修士1年 森 恭隆

マルチプラットフォーム対応型コンテンツ生成システム

1. 概要


WEBページ、動画ファイル、静止画像の素材(マークアップ言語記述文書、動画メタデータ、ベクター数値等)を全てXMLデータベースに落とし込み、各素材のモジュール化によるコンテンツ製作の効率化を図るシステムを構築する。
今回は、WEBにおけるテキストデータ、静止画におけるワンソースマルチユース変換システムを完成させた。

テキスト変換システム概念図

静止画変換 システム概念図



動画を含めた自動生成は、各端末向けにではなく、WEBのみに個々にカスタマイズ生成するシステムを開発した。そのデモ的コンテンツとして「memento+」という個々の思い出をそれぞれ生成するコンテンツを制作し、本研究で開発するシステムのプレゼンスとした。


2. コンテンツ概要


動画、音楽、静止画、テキストを駆使して個人の思い出を呼び起こすマルチメディアコンテンツ

“場所”に関する動画ファイル、コミュニケーションを通して蓄積される思い出情報(画像・テキスト)からパーソナライズ化したコンテンツを生成

3. システム概要

4つの素材のXMLメタデータからSMILを生成する
コミュニケーションによって情報を取得する
マッチングに“感情”を用いている

コンテンツの生成方法は以下である。

動画データ 道を歩いている動画ファイルにそれぞれ一つずつメタデータXMLファイルを記述
静止画データ 思い出を象徴する静止画ファイルにそれぞれメタデータXMLファイルを記述
テキストデータ 思い出の話をテキストにする
音楽データ joy sadness angry fear disgust love surprize anticipation それぞれの感情を象徴する音楽を用意、それぞれにXMLメタデータファイルを記述

それぞれ個人個人がアクセスすると、個々にあわせて動画・静止画・テキスト・音楽を組み合わせたマルチメディアコンテンツが生成される。
最終的に生成されるマルチメディアコンテンツはSMIL形式を取っている。

例)サンプルSMILファイル


4. 考察

静止画・テキストのマルチユース・マルチアクセスは可能になった。ただ、映像のマルチユース化等、企業がこぞって取り組む開発よりも、コンテンツのパーソナライズ化の方向に研究は進めていきたいと考えている。