研究結果

@モデルの提案

 現在の都市の仕組みをモデル化したシミュレータを(モデルS)開発し、その結果の分析を通して現行の仕組みの特徴を探った。次にその分析をもとに異なる特徴を備えたいくつかの仕組みをモデルとして提案した。モデルA〜Dは相互作用的な仕組み、モデルEは一律的な仕組みによるものである。

モデルS(既存法規):建ぺい率、容積率、道路斜線制限、ゾーニング、総合設計制度の簡易化

モデルA(周辺調和型):面積格差指数aによる建ぺい率調整と周辺平均値の高さ制限

モデルB(範囲内バランス型):周辺との合計値で計算される各種規制と格差指数によるボーナス

モデルC(成長制御型):周辺より緩和される各種規制と格差指数や過剰成長によるペナルティ

モデルD(成長率伝達型):モデルAに周辺の建物高さの変化による階層調整を加えたもの

モデルE(一律規制型):最低(高)敷地面積、建ぺい率、絶対高さ制限

 

Aシミュレーションの結果

 シミュレーションの結果は街並みを表現する3次元CG、また各種数値の変化を示すデータとして導き出される。各モデルの主な特徴は以下の通りである。

モデルS:街並みも都市機能(床面積などの経済的数値)も、現状と大きな変化は無い

モデルA:まとまりを持った街並みが創出され、都市機能は安定している

モデルB:凹凸の多い街並み、不安定な都市機能、建物の高層化、床面積の減少などの傾向がある

モデルC::隣接する建物高さが階段状になる街並みが多発し、空地の増加と分散が起きる

モデルD:街並みのまとまりの創出と、安定した都市機能の遷移が行われる

モデルE:建物高さの統一が行われ、建物の高層化と高密度化が進む

 

  

歩行者の視点からの街の様子                      西方向からの俯瞰図

 

南方向からの俯瞰図