2003年度 森泰吉郎記念研究振興基金 国際共同研究・フィールドワーク研究採択 研究成果報告書
今後、引続き研究を進めていく上で、以下の問題点を解決しつつ、臨むことにしたい。
書籍の読者が実験の参加者となるが、 むしろ大人が購入している場合が多いように見え、 想定よりも年齢層が高いようである。 そのため、最初に計画したインセンティブが適切に訴求していない可能性がある。
実験計画を、大人が参加する場合とこどもが参加する場合とで分けて考えていきたい。 (実験サイトも、このことを考慮してデザインし直したい。 こどもが参加していないように見えるのは、 実験サイトが大人向けすぎるからかも知れない。)
また、読者層を正確に把握できるような仕組みを用意する必要があると考える (現状でもプロファイリングの機構を用意しているが、改良したい)。
どのような意図をもって実験を行ない、 メカニズムがどうように動作するか、十分な説明を行なえていない。
メカニズムを周知させ、 参加者が戦略的に行動できるようにすることはメカニズムの設計の一部であるため、 是非、改善していきたい。
現在、試行している、信用値の向上をインセンティブとするメカニズムは、 基本的には参加者の競争意識を利用したものである。 WIDE Hour ではこのことがうまく働いたが、 すべてのコミュニティにそれが適用できるとは限らない。 そもそも、様々なメカニズムを比較実験し、検証していくことが狙いなので、 競争意識以外を利用したメカニズムも是非、考えていきたい。