2003年度 森基金報告書 |
慶応義塾大学SFC 博士2年 郭俊麟 |
研究課題:
GISを用いた戦後台湾と日本九州における経済発展に伴う農業的土地利用変化の比較研究
研究要旨:20世紀から、さまざまの地球規模の環境問題及び地域開発問題が次第に深刻化していくにつれ、人間活動による土地利用変遷の時系列的な把握は重要視されてきた。本研究は、戦後農業的土地利用変化を注目し、新たな仮説を提出する。これは、ある程度の経済発展期に到達すると、異なる地域でも農業的土地利用変化に関する共通な特徴を生じうるという仮説である。台湾は日本と従来密接な社会、産業関係で結び付られ、戦後も発展期約20年程の差で日本を追いかけている。台湾と日本は、この仮説に最適な研究対象と考える。また、今後の食糧生産と環境変化を展望し、予測される問題解決を描くためには、今研究で明らかにしたような傾向を活かしてGISを用いた農業的土地利用モデルを構築する。 | ||
研究報告
森基金を申請してからこの一年間、戦後台湾と日本における経済発展、及び農業的土地利用変化について検討した結果、研究の方向を少し修正しており、下記の研究課題名に変更させて頂いた。
ECONOMIC DEVELOPMENT AND THE LOSS OF PADDY FIELDS: An integrated Land Use Change study between Japan and Taiwan
(日本と台湾における経済発展に伴う水田の土地利用変化の比較研究)
研究内容は、主に土地利用・土地被覆(LUCC)国際プロジェクトの提示した比較研究のアプローチに従い、1960年以降日本と台湾における経済発展と農業的土地利用の傾向を把握した上、経済発展に伴う水田の減少を対象として、GISを用いて土地利用情報基盤の構築法、及び水田減少の予測モデリングの開発の手法などを考察した。また、本研究は、日本と台湾の比較研究を通じて、移転性のある土地利用モデル手法を提示したが、モデルの実験や検証は、今後の研究課題として研究して行くと考えている。
本研究は、台湾と日本における地域比較研究であり、台湾大学地理研究科土地利用研究室との情報交換、研究の交流が頻繁に行っている。国際的なコミュニケーションを得るため、英語で研究報告書を作成することにした。(PDFファイル)
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An integrated Land Use Change study between Japan and Taiwan
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