本研究では、鎌倉市を事例として、21世紀における環境共生都市の姿を提案すること を目的としている。
その為には、更に範囲を絞り、ケーススタディとしての調査分析、問題点抽出が必要であると考えた。
その為、対象地を鎌倉市神戸川流域に設定し、調査分析を進めることとした。


神戸川流域について


 流域は、「雨水が水系に集まる範囲」と定義される。この流域は水循環の基本単 位でもあり、分水界で区切られた窪地という分かりやすい地形的な特性をもち、生態系の諸要素を総合的に把握していくために分かりやすい単位でもある。本研 究では、都市内の自然的資源をいかに生かして環境共生都市を実現するのかを追及していく。そのため、この流域を単位に対象地を設定し、研究を進めた。
 神戸川水系は鎌倉市西端に位置し、流域面積は約400haである。本流の河川延長は約2.4qあり、河口から1q程度上流で、二又川と分岐する。二又川 上流部には、2003年に都市林として公的資金を投入し買収された鎌倉広町緑地(約50ha)を抱えている。神戸川流域はまた、高度経済成長期に大規模な 宅地開発が多数行なわれた為、現在では鎌倉広町緑地周辺のほとんどが住宅地である。



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