慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
大学院政策・メディア研究科
2003年度森泰吉郎記念研究振興基金
研究成果報告書
2003年度 研究育成費(修士課程)
1. 研究の位置づけ
人口減少時代の都市におけるリノベーションについて様々な角度から研究する本プロジェクトであるが、春学期から私が進めている研究内容は次のように位置づけられる。
少子高齢化は、今日の日本において重要な問題であるが、その現象が都市に与える影響について十分に把握されていない点が指摘できる。
特に住宅においては、継承されない事象が発生することにより、中古住宅供給数が増加して市場価格が下落し、取引に影響を及ぼすことが懸念される。
このような問題が発生する前に、住宅需要動向をつかむ必要がある。
研究テーマである「少子高齢化が都市に与える住宅継承問題に関する研究」の目的は、少子高齢化問題の一側面である住宅継承問題を採り上げ、東京圏で起きる住宅継承の有無を家族人口学的モデルによって推計し、GIS(地理情報システム)を用いて地域特性も明らかにする。また、必要に応じて地域を特定し、ケーススタディを通して実態を調査する。研究成果は、将来の住宅市場を予測する上で必要となる資料であり、少子高齢化の影響に関する研究として新規性、独自性をもつという意義がある。
今期は、基礎的概念を身につけるため、北海道・東北地域を対象地域として都市圏分析を行い、域内に暮らす人々の生活範囲を定義づけた。
2. 研究報告
「北海道・東北地域における都市圏分析」
同地域における都市圏分析を行った。分析報告は、こちら[PDF]に記載した。
分析結果(表):
本研究は、修士論文執筆のための基礎的知見を得るには、効果的な分析であった。2学年次に入る来年度からは、修士論文「少子高齢化が都市に与える影響に関する研究 〜東京圏における住宅継承問題を中心として〜(仮題)」の執筆を本格化させる。
2004-02-27 00:00