2003年度 森基金報告書

政策・メディア研究科 IT BUSINESS-80232963

谷田部治明:Haruaki Yatabe 


森基金で得た資金は主に、修士論文の作成に用いた。
そこで、まず本論文の内容・活動・結果を提示し、その中でどのように資金を用いたかを説明する。

論文題名
【 関係性マーケティングにおけるポイントプログラムの有用性に関する研究 】

★論文要旨


本論文では、企業が消費者との良好な関係の維持・発展を築くためのポイントプログラムの有用性を明らかにし、これを効果的に活用する方法の検討を行った。

 調査対象として、家電量販店、CDショップ、ドラッグストア、百貨店、GMSの5業種を選び研究を行った。第一段階では、内容分析として、ポイントプログラムを構成する要素(還元率・有効期限など)を企業毎に整理し、比較、考察を行った。第二段階では、企業へのインタビュー調査を行い、企業側がどのような目的でポイントプログラムを導入し、運用しているのかを明らかにした。第三段階では、消費者に対して質問紙調査とインタビュー調査を行い、ポイントプログラムが顧客維持に対して、どの程度効果があるのかを明らかにした。その結果、顧客との関係の維持・発展に対し、ポイントプログラムは有効であり、かつその効果は業種によって異なることがわかった。第四段階では、第三段階までにおいて得られた結果をもとに、顧客を維持するためのポイントプログラム施策を提案した。

 これらの結果から、ポイントプログラムを用いて顧客を維持する際には、次のようなことが重要であることが確認された。

1)業種毎の適切なポイントプログラム戦略の構築

2)サービス・品揃え・雰囲気などポイントプログラム以外の要素の向上

3)ポイントプログラムを他のサービスと結びつけることによる競合との差別化


★森基金の活用方法

申請書において申し出た、森基金の使用目的は以下の3点であった。
1.交通費 2.書籍「CARD WAVE」の購入 3.ICレコーダーの購入


上記のうち2と3を説明する。
本研究テーマであるポイントプログラムに関する書籍は非情に少なく、あったとしても高価なものが多い。
学生の身分の私にとって、唯一のポイントプログラムに関する情報誌と言っても過言ではない、シーメディアが発行する「CARD WAVE」を多数購入できたことは研究成果を大きく向上させるものとなった。
また、ICレコーダーはインタビューの大きな役に立った。発言を文字に起こし、その一言一言に解釈を付け加えることができた。