2003年度森泰吉郎記念研究振興資金 研究者育成費 成果報告書

慶應義塾大学 政策メディア研究科
メディアデザインプログラム
徳久 悟:80232242
dangkang@sfc.keio.ac.jp

1.研究課題名

身体感覚に基づく音・映像のリアルタイム処理の研究

2.研究概要

 本研究では,「ユーザーのシンプルな入力動作による,シンプルなインターフェイス」をコンセプトに,ユーザーのパフォーマンスによって, 音と映像をリアルタイムに扱うシステムatMOS(アトモス:augmented Multimodal Operative System)を開発した.

3.atMOS概要

 本研究において構築したシステムatMOSはLBE(Location Based Entertainment:場所に根ざしたエンターテイメント)に位置する.本システムでは、プレイヤーの身体動作に応じた、映像処理、音響処理が行われる。ゲーム終了後、自らが作成したオリジナルムービー(セルフパッケージングムービー)は、第3世代携帯電話を通じてダウンロードすることができ、次世代コミュニケーションツールとして利用されることが期待される。

 atMOSのシステムは,パフォーマンスセクション,
リアルタイムエフェクトセクション,レンダリング
セクションの3つに分かれている.パフォーマンスセクションにおいて,ユーザーの身体動作をセンシングし,データをデジタル化し,リアルタイムエフェクトセクションにて,そのデータをもとに音響処理・映像処理を行う.そして,レンダリングセクションにて,最終的な映像を携帯電話で視聴可能なフォーマットにレンダリングする.

 atMOSでは,デジタルビデオカメラと画像処理技術を用いて,シンプルな入力動作を利用したシンプルなインターフェイスを実装した.LEDポインターにより,光の筆で絵を描く,音を奏でる,というイメージのもとユーザーの動きを誘発するだけでなく,豊かな演出を可能にし,検出を容易にしている.同時にユーザーの腕の動きの量を検出することで,再現性を高めている

 また,ユーザーの腕を中心とする動きの量を検出し,その動きの量を直接映像エフェクト・音響エフェクトに反映させ,身体動作と処理内容に関係性を付与している.映像処理と音響処理の関係性については,論理的な関係性を与えた.さらに,視覚的な音と映像の連動効果を補完するため,音に連動した映像効果を実装した.

なお,システムに関する詳細は修士論文を参考にされたい.

Fig:1 atMOS design
Fig:2 atMOS Flow
Fig:3 atMOS system flow
4.成果

4.1 Siggraph2003 emerging technologies 採択

4.1 平成15年度文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門奨励賞受賞

atMOS Homepage
http://dive.to/atmos