■本年度の新規性
特筆すべき本年度の新しい成果として挙げられるのは、
「アイテム間得点のヴィジュアル化」と「クラスターツリー」の2点である。
◇アイテム間得点のヴィジュアル化
「アイテム間得点」とは、2002年に小野田が開発した、
アイテム同士の関係性の強度を測る尺度である。今年度、
伊藤貴一氏の協力により、下記のように可視化することに成功した。
これは解析と解釈の融合を図る上で非常に有効なツールとなった。

例)雑誌Layer3のアイテム間得点
◇クラスターツリー
申請時にはなかったのが「クラスターツリー」である。
これは解釈が困難な「メディアマップ」の問題点を軽減かつ補完すべく
開発された、自明性の再現を目的とした樹形図である。
その作成手順については、上記成果概要に詳しいが
レイヤー内でクラスタリングを行ったのち、全クラスターに相関ルールを適用する。
下位レイヤーのクラスターをBody、上位レイヤーのクラスターをHeadとした時、
最大のCofidenceを示すクラスター同士を結合させる方法である。
この開発も、解析と解釈の融合を大いに促進することとなった。
■課題
申請時には15ジャンルの解析を達成すると目標を述べたが
遂行できたのは10ジャンルに満たなかった。
来年度も継続的に研究を進めることで、ぜひ残りのジャンルの解析も完了し
トータル18ジャンルの相互関連性分析に着手したい構えである。
ただし本年度新たに得た上記ツールは、解析と解釈の融合を助けるばかりでなく
効率性の観点からも飛躍的な進化を我々にもたらした。
これらを活用することで、迅速かつ高精度の分析が期待できると考えている。
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