研究要旨
本研究は、認知距離に関する研究である。認知距離とは、広い空間で人間が観念的に把握している距離である。人間の認知は固定されておらず、状況によって変わりうる。情報の付与により、認知距離および移動する意思に影響を与えられるかを試した。その手段としては、映像を用いた。映像の視聴は、訪問経験の代替となる効果があった。高めに歪んでいた認知距離は、映像を視聴することでより低めに補正された。そして、都市に対して移動する意思の態度を決めていない者に対して、態度を決めさせた。今後、情報通信技術を利用した映像配信が、人々の認知距離を変化させうる。また、地方都市についての情報提供のあり方に対して、距離という要素が重要な位置を占める可能性がある。認知距離および移動する意思の性質を明らかにできれば、認知距離に変化を与えることで移動する意思を喚起することができる。そうすれば、人々の移動を促すことができる。人々の移動は経済の動きを活発にし、社会を発展させうる。認知距離を有効に利用することで、社会を活性化することができる。
キーワード
認知距離 移動する意思 地方都市 交通網 映像
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