2004年森基金 研究成果報告書

DNAメチル化パターンの解析

山本 直人 (政策・メディア研究科 修士1年)

- Student ID : 80425795



2004年春学期 研究概要:

「メチル化CpG解析,及びMeCP2-Dnmt1の分子結合シミュレーション」
  DNAのメチル化はゲノムを直接修飾するエピジェネティクス機構として知られている.また,哺乳類の体を
構成する様々な組織や細胞はそれぞれ固有のメチル化パターンを有している.本研究では,CpGメチル化頻度
と,周辺領域のCpG出現回数や隣接CpGメチル化頻度との解析を行い,「孤立」したCpGほど強くメチル化され,
「密集」したCpGほど殆どメチル化されないという傾向を得た.さらに,その制御を行っている分子機構として
「MBPの凝集度が高い程,DnmtはMBPと結合しない」を提唱し,分子動力学法による分子結合シミュレーションを
行ったが,この仮説は誤りであることが予測された.

本文 (慶應ドメインのみ)



2004年夏期 研究概要:

「MeCP2上においてMeCP2結合ドメインとDnmt1 結合ドメインはオーバーラップする」
MeCP2上におけるMeCP2結合ドメインとDnmt1 結合ドメインのオーバーラップが, 孤立したCpGの
メチル化や, 密集したCpGの低メチル化維持などをもたらすと仮定し, Docking Simulation によって
その検証を行った. その結果, 統計的有意性の検証は不完全であるものの両者のオーバーラップが見られた.

本文 (慶應ドメインのみ)



2004年秋学期 研究概要:

「DNAメチル化ターゲット遺伝子の予測」
 組織特異的なDNAメチル化は、CpG配列の組織特異的なメチル化によって引き起こされる。まず、本研究では
「CpG配列の組織特異的なメチル化は、そのCpG周辺の組織特異的なシグナル配列によって決まる」という仮
説の検証を行った。まず、組織特異的なメチル化頻度を示すCpGの周辺配列から、組織特異的なコンセンサス
配列を抽出した。そして、組織特異的なコンセンサス配列を持つ遺伝子が、組織特異的な発現変化を示すこと
を確認した。また、それに基づいてDNAメチル化ターゲット遺伝子の予測を行った。

本文 (慶應ドメインのみ)