2005年度 森基金研究成果報告書

所有関係別住宅戸数の将来推計に関する研究

―住宅所有関係別人口からのアプローチ―

 

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科

白石 賢生

 

研究の概要

本研究の目的は、住宅所有関係別世帯数の将来推計を行うことである。そのためにライフステージの進展に従って住宅所有関係が変化する現象を、住宅所有関係別人口のコーホート分析を通して分析する。

199019952000年の福岡市の男女年齢別住宅所有関係別人口を分析することで、ライフステージの進展により住宅所有関係の選択が変化する現象を、定量的に把握した。そして、この現象をモデル化して2005年から2030年にかけての住宅所有関係別世帯数を推計した。ここで用いた男女年齢別住宅所有関係別人口は、国勢調査において表章されていないため、小地域データを回帰分析することで求めた。

 

研究の成果は以下の通りである。

1)小地域データを用いて回帰分析を行うことにより、国勢調査で表章されていない男女年齢別住宅所有関係別人口を、1990年から2000年にわたって求めることができた。その値を分析した結果、住宅所有関係が年齢に大きく影響されることが統計的に確認された。また、年齢だけではなく世代別(コーホート別)にも住宅所有関係について一定の傾向があることが明らかになった。

 

2)ライフステージの進展により住宅所有関係が変化する現象を用いて推計した結果、2000年に対する2030年の増加率は、持ち家48%、借家6%という結果となった。これから、1970年代前半コーホートが持ち家取得時期に入るため、持ち家は2030年まで増加を続ける。しかし、その逆に借家は2005年から横ばいで推移することが明らかになった。

 

 

キーワード

1.住宅戸数 2.住宅所有関係 3.ライフステージ 4.コーホート分析 5.福岡市

 

詳しくはPDFファイルを参照されたい。