香りを聞くデジタル・エンターテイメントのデザイン

慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士課程
勝本 雄一朗
80424418 / yk@sfc.keio.ac.jp

1.研究課題名

「香りを聞くデジタル・エンターテイメントのデザイン」

 

2.研究概要

 本研究は、匂いを使った新しいデジタルエンターテイメントを提案する。先行事例の問題点を解決するために、本研究は匂いを一次的にもちい、匂いの感じ方に注目することで、2 つのコンテンツNozoki-HanaとInSceneを制作した。Nozoki-Hanaは「嗅ぐ」エンターテイメント、InSceneは「香る」エンターテイメントとして、匂いを魅力的に楽しむためのデザインを提示し、実装している。

なお、研究および各コンテンツの詳細は筆者執筆の修士論文を参考にされたい。

 

3.Nozoki-Hana 概要

 Nozoki-Hanaは、匂いと音をもちいて体験者に記憶を想起させるエンターテイメントである。体験者は、ワイヤレスヘッドフォンを装着し、穴に鼻を入れることで、匂いと音が描きだす記憶の情景を楽しむことができる[Fig.1]。

 Nozoki-Hanaは2005年2月に誕生。その後、2度の展示を経て、2005年10月にNozoki-Hana Mk-2へと進化。第11回学生CGコンテストにて最終ノミネート作品として入選した。また20005年11月には新設計のNozoki-H"anashiが生まれた。

 

4.InScene 概要

 InSceneは、お香をメディアとしてもちいた、エンターテイニングなコミュニケーションツールである。InSceneの送信者は、お香に想い(メッセージ)を込めることができる。InSceneの受信者は、お香に火を点し、テーブルに載せることで、室内にひろがる香り・煌めく煙・天井に投影される星空を味わうことができる。また煙に手をかざすことで、送信者の想いを眺めることができる。そしてお香が燃え尽きると 、受信者は残り香に浸ることができる[Fig.2]。

 InSceneは2005年12月に初号機が完成、現在二号機を制作中である。

 


fig.1: Nozoki-Hana


fig.2: InScene