森基金報告書
政策・メディア研究科 修士課程2年
塚本 文
多文化共存都市・福生の居住環境インフラの研究
1)目的
我が国における多くの地域において、文化の非継承と衰退は極めて深刻な問題である。
同時に、核家族化・個住化が進む現代においては、居住や生活の環境を共にする者同士においても、交流が不要となり、結果、犯罪問題や不安と共に生きることとなっている。とりわけ、異なる文化の持ち主同士の交流は、居住環境の安全性を高めるとともに、当事者の主体性やコミュニケーション能力を高めるという積極的な意味に転ずる可能性が高い。
本研究は、対象地を東京都福生市及びその周辺地域とし、その地域の居住環境のマネジメントの経緯・現状と向上可能性について研究する。特に着目すべきは、玉川上水と2カ所の造り酒屋を中心とする旧集落地域とそのコミュニティ、及び、米軍横田基地がもたらした環境やそこに集まるデザイナーやアーティストなどのコミュニティという、全く異質の地域文化が渾然と共存しており、また双方が時を同じくして衰退しつつあり、再生を必要としている点である。本研究はこの課題に対し、歴史的経緯と現状分析の後、具体的な提案を行うものである。
研究主軸は現代的課題である「環境共生」「地域運営」である。都市空間の個性を、玉川上水や崖線緑地をはじめとする水と緑の自然環境と、コミュニティと地域運営の関係、この双方から対象地における居住環境マネジメントの将来的在り方を考える。
最終的には、この両者を統合したデザイン(意匠)とアクション(活動)の双方を以て、住民主体によるランドスケープ・マネジメントの再構築の手法提案を試みる。
■問題意識
[地域再生]
都心郊外圏の無秩序な開発による地域特性の衰退
居住者の生活と地域運営システムの変化
[環境共生]
都市生活による環境負荷、緑地減少による生態系の断絶
⇒地域特性としての環境インフラを評価し、都市骨格と
して位置づけ、地域で利活用する手法を構築する
■研究の目的
地域住民による緑地環境マネジメント手法の事例研究と提案
2)研究費の使途
(1)実地調査にかかる経費(2)データ作成に必要なデジタル用品購入費
(3)一連の研究成果の記録作成にかかる経費
3)研究スケジュール
4)分析
5)崖線と文化
6)ケーススタディ
(1)森田製糸跡地
(2)福東地域再生提案
(3)都市への浸食
7)VISION – マスタープラン
8)おわりに
本報告書は、webに掲載するという都合上、極度に重いデータを作成することが困難だったため、詳細にご興味をもっていただいた方は研究プロジェクトML:fussafussa@yahoogroups.jpまでご連絡お願いします。
また本研究の遂行に当たり多大なご協力を賜った福生市役所ならびに福生まちづくり景観会議、福生市民の方に御礼申し上げます。