2006 academic year
-- REPORT --


政策・メディア研究科 修士課程1年
天野由香
Yuka Amano
ID #: 80624060, login: yukyuk

日本在住のブラジル人のためのバイリンガル教育設計古石篤子研究会
春学期は方や古石篤子教授の「バイリンガリズムと言語教育政策研究会」に参加し、この研究を進める上で必要不可欠な基礎的知識となるバイリンガリズムおよび多言語・多文化主義、多言語・多文化教育に関する基礎的な文献を輪読し、個人発表では水村美苗著の「私小説from left to right」を通して言語とアイデンティティの関係について考察した。また大学院生のみの研究会ではバイリンガル教育の第一人者であるトロント大学ジム・カミンズ教授の「Bilingualism in Education」を輪読し、6月には名古屋外国語大学で行われたカミンズ教授の講演会にも出席し、大きな収穫を得た。
また他方では、長後滝山市民の家で7月まで行われていた外国人児童を対象とした「学習室」にボランティアとして参加し、実際に外国籍の子どもと触れる場を得た。
7月には在日ブラジル人向けの新聞Jornal Tudo Bemの編集長(当時)のJhony Arai氏に、現在の日本におけるブラジル人の教育の概要・パースペクティブに関するインタビュー調査を行った。
秋学期は古石篤子教授の「バイリンガリズムと言語教育政策研究会」に参加し、特に言語と認知・思考の関係に関する文献を輪読し、古石教授による個人指導においてはブラジル人の教育の現状、および多文化・多言語教育に関する研究書を輪読した。
またフィールドワークとして11月には岐阜県美濃加茂市のブラジル人学校および愛知県安城市のブラジル人学校、また12月には群馬県伊勢崎市のペルー人学校を実際に訪問し、大きな収穫を得た。
愛知県安城市のブラジル人学校の訪問の前日には「多民族教育共生フォーラム2006愛知」にも参加し、実際の外国人学校関係者の議論を聞く機会を得た。
本基金申請時の計画では9月に浜松のブラジル人学校、10月に群馬県太田市のブラジル人学校を訪問する予定でいたが、アポイントがうまく取れなかったため、前述のとおり、計画をやむを得ず変更した。
さらに12月には東海大学の小貫大輔教授が主催する「マルチカルチャー・チルドレンの会」に参加し、他所で外国人の教育に携わる多くの若者と意見交換をする機会を得て、非常に刺激的だった。
今年一年では日本在住のブラジル人のためのバイリンガル教育の設計のため、不可欠な基礎知識および基礎調査が行えたといえる。来期より本格的にバイリンガル教育の設計に取り組みたい次第である。