創発支援システムの構築 -料理レシピとブログの事例-政策・メディア研究科 後期博士課程 妹尾紗恵 |
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1. 構造化と創発 |
本研究のメタレベルでの目的は、インターネットから得られる膨大で整備されていないデータから、有意義な情報を抽
出するための手法やツールを開発することである。熊坂研究室は、解釈者によって柔軟に形を変化させる新しい自明性
の表現手法としての「柔らかい構造化」手法を確立してきた。本研究ではそれを発展させて、自明な構造から意外性を発見することにより、分析者に「創発」を喚起するためのツール開発を行った。 |
2. 料理レシピによる構造化と創発の実践 |
これまで継続的に行ってきた、料理レシピサイト「COOKPAD」の分析の結果から、料理を「楽しい」と感じている主婦達は、料理の「アレンジ」を楽しんでいることが明らかになった。一方で、料理における「アレンジ」を行うためには、調理者の料理に関する経験や知識が不可欠となり、料理を苦手とすればするほど、「アレンジ」による料理の楽しみを味わうことができないというジレンマに直面する。そのような問題を解決するために、料理の知識が浅い調理者でも、「アレンジ」によって料理を楽しむことを可能とする、「アレンジ(創発)」支援のためのツール開発を行う。「構造化」と「創発」を料理レシピで実践することにより、料理の「アレンジ」を支援し、企業のメニュー開発や、主婦の手料理への動機付けに役立つことを目的とした、料理レシピ開発支援システムの構築を行った。 1 料理の構造化
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