研究課題：web上で音楽セッション映像を共有するシステム「JOINst」の開発
氏名：臼井旬
所属：慶應義塾大学 政策・メディア研究科 奥出研究室
概要
本研究では、ウェブ上で音楽演奏の映像を共有することで、多くの人のパフォーマンスを組み合わせて閲覧するための仕組み「JOINst」を作成する。 デジタル技術の発達によって、アマチュアの音楽家でも良質な音作り、録音が可能になった。しかし、楽器演奏者に調査を行ったところ、多忙な生活のために、なかなか演奏機会を持てない場合が多い。また、近くに音楽の趣味の合う人がおらず、 自分の好きな音楽を好きなだけ演奏して楽しむ経験をなかなかできずにいる。 JOINstでは、Quatronome等の遠隔セッションデバイスで作成した自身の音楽演奏映像をウェブ上にアップロードして共有し、ウェブ上・リアルでの演奏機会を増やすことができるだろう。
プロトタイプの作成
プロトタイプを作成し、アップロード・共有・閲覧の一連の流れを検証した。以下はプロトタイプの各画面である。プロトタイプ作成にはRuby on Railsを用いた。
新規アップロード画面
映像ファイルをアップロードする。映像はffmpegでflv形式に変換される。同時にサムネイル画像も生成している。
組み合わせ・閲覧画面
アップロードした映像は「Select Players」に追加される。
selectボタンを押すと、flashで作成した「JOINst 4 Player」に左から順番に追加される。
playボタンを押すと一斉に再生が始まる。個々の映像のスライダーを使って、音量調整とシークもできる。
今後の展望・課題
- 複数ユーザ対応にして、公開できるようにしたい。
- 映像共有サイトにすべてあてはまる問題として著作権の問題がある。特に音楽を対象にしているのでより難しい。しかし、プレイヤーズ王国などでコピー作品の共有が実現されており、可能はあるだろう。
- 本プロトタイプはもともと音楽映像で使用する目的で作ったものだが、複数のジャンルの映像で「それぞれの映像が作用し合って動く（再生・停止）する仕組み」を取り込むことができれば音楽に限らずとも面白いインタフェースになる可能性が感じられた。
- セキュリティ面により注意して作り込む必要がある。