2007年度 森泰吉郎記念研究振興基金 成果報告

研究課題

「枯草菌を用いた有用物質生産の為の人工オペロンの構築」


慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科 先端生命科学(BI)プログラム 修士課程1年 大木 慈子

E-mail: chika@sfc.keio.ac.jp


研究成果概要

生物が生産する物質の中でヒトにとって有用な物質は本来の生産生物種では生産量が少ない場合が多い.一方,それらを特別な微生物に効率良く,制御しながら生産させることが出来れば,短時間で大量かつ安全に有用物質の作製が可能となる.そこで,本研究では,微生物における汎用的な有用物質生産システムの構築を目標に,植物が生産する色素であるアントシアニンをターゲットとし,その生合成を司る遺伝子を集積した人工オペロンを構築した.アントシアニン生合成の開始基質の一つであるフェニルアラニンからぺラルゴニジンを介してアントシアニンを合成する9遺伝子(PAL, C4H, 4CL, CHS, CHI, F3H, DFR, LDOX, F2K)及びフェニルアラニンからシアニジンを介してアントシアニンを合成する10遺伝子(PAL, C4H, 4CL, CHS, CHI, F3H, F3'H, DFR, LDOX, F2K)をシロイヌナズナcDNAより取得し,それらを連結した人工オペロンを枯草菌中で構築する事に成功した.



成果報告書(2007年度)

2007年度 春学期

2007年度 秋学期

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研究実績

2007年度 グラム陽性細菌のゲノム生物学研究会
”ゲノムデザイン学:OGAB法によるアントシアニン生合成遺伝子群の集積,オペロン化への試み”
大木慈子,柘植謙爾,大橋由明,冨田勝,板谷光泰


2007年度 第30回 日本分子生物学会年会 ポスター発表
”ゲノムデザイン学:アントシアニン生合成遺伝子群の人工オペロン化の試み”
大木慈子,柘植謙爾,大橋由明,冨田勝,板谷光泰




Chikako Oki   Feb. 28th, 2008