2007年度秋学期 森泰吉郎記念研究振興基金 研究成果報告書


政策・メディア研究科 修士2

80625130 仰木裕嗣研究室所属

深尾 正平

fukao28@sfc.keio.ac.jp



題目 【加速度センサによる水泳スタート動作の研究】


腕時計型の3軸加速度センサを用い、水泳のスタート動作、主にその中の「けのび動作」に着目し、

計測、分析を行う。


本研究の目的は、加速度センサから採取されたデータ、及び水中映像から分析された結果から、

様々なけのび動作の特徴を読み取り、優劣を評価する指標を考察する事である。



昨年1215日にJFEプールにて、実験を行った。実験概要は以下の通り。

 実験テーマ

けのび動作中における加速度変化の測定

 計測内容

水中カメラによる映像撮影、3軸加速度センサによる動作中の加速度計測

 被験者

慶應大学水泳部員7名(男子5名女子2名)

 試技内容

通常のけのび(Normal)と姿勢を変えたけのび(Other)の2種類


 また、その実験で得たデータを分析。被験者間や、試技間での比較を行い、変位、速度、加速度の変化を観察する事で、

各試技での波形の特徴を見る事ができる。水中映像は、FrameDIASⅢを用いてデジタイズを行い、

各部位ごとの変位を計測、その後、速度、加速度と計算して求める方法をとっている。

 目下、採取されたデータの分析に取り組んでいる状態である。

Fig.1Normalの試技のYの変位、Fig2.Otherの試技のYの変位を表すグラフである。


 これらの図から、姿勢の変化によって、変位の過程が全く違うことがわかる。

現状ではここまでしか分析が及んでいないため、今後は変位データの平滑化、速度、加速度計算を行い、

試技間の差が表す要素を分析していく。




 各被験者において、試技間の変異に大きな差が確認されているため、速度、加速度においても同様に差が確認できるものと予測され、

これにより、けのび動作の優劣を評価するための要素を観察できるのではないかとも予測される。

 

よって、今後の活動は主に、Mathematicaによる分析作業、また、その後再度実験を行っていく形となる。

 


 主に実験に必要な器具、消耗品などを購入するための資金とした。実験時に着用してもらう水着や、身体に付置するマーカー器具、

 また、加速度センサを着用・固定するために腰痛用ベルトやサスペンダーなども実験器具として使用した。

 映像データも採取し、膨大なデータ量になったため、外付けHDなども購入した。