地方都市の魅力の発掘と創造 内川イベントプロジェクト成果報告

 

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科2年

宮澤祐子

 

内川プロジェクトの経過

 

 2006年度、「地方都市における魅力の発掘と創造」と題し、地方都市の魅力に関する首都圏在住者と鶴岡在住者の意識の差異を明確にし、地域の新たな魅力を模索することを目指した研究を行った。まず私達は、首都圏在住者として鶴岡市の新たな魅力を見つけることを目標とし、鶴岡在住の高校生に対し鶴岡に対して持つイメージの調査を行った。その結果、歴史的な景観や文化に対する意識が強い事が分かった。後に首都圏在住者である慶應義塾大学院池田研究室の調査員達にアンケートを行った結果、全員調査後の鶴岡に対する意識が変化していた。これをもとに調査員達は実際に鶴岡を訪れ、鶴岡らしさを引き出す空間デザインの提案を行った。そしてその提案の中で、鶴岡の魅力として、内川が挙げられた(fig.1)。その後、鶴岡の「内川」の魅力を人々に感じてもらう為、2007年度、内川プロジェクトとして、マチ舞台・浮きのぼり・ISAKを内川で実施することを3月31日のシンポジウムで発表し、企画・計画へと至った。

 内川プロジェクトとは、地元のお祭りである荘内大祭の中で、内川を利用したイベントを行うプロジェクトであり、慶應義塾大学院池田研究室はこのプロジェクトのプログラムのうけざらとなる仮設構築物の設計・施工を担当した(fig.2)。本研究では、その中で設計・施工された「マチ舞台」における設計施工プロセスの参与型観察を社会実験と位置づけ、この社会実験プロセスがまちづくりの基盤となる人々の繋がりがつくれるのではないかという仮説をたて、参加ボランティア住民の貴重な意見・活動を基に検証を行っているものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内川プロジェクトの成果

 

2007年8月15日、荘内大祭時に行われた内川プロジェクトにおいて、「マチ舞台」と題した間伐材を建材とする舞台装置の計画・実施制作を行った。内川の水辺に人々が近づけて、遊び場として、憩いの場として、そしてサウンドを奏でる舞台としての空間を設えることを目標とし、市民の援助・協力のもと設計・施工をボランティア活動で行った(fig.3)。その成果物として26・の仮設舞台が完成した(資料参照)。

当日は延べ200人近くの方々が訪問し、音楽を奏でたり憩いの場としての機能以外に、鶴岡という街を見るための舞台として機能した(fig.4,fig.5)

 

 

 

 

 

 

 

 


なお、本プロジェクトに関する詳細な報告としては、2007年度慶應義塾大学大学院修士論文「祭礼仮設的景観デザインによるまちづくりの研究 〜鶴岡市内川での社会実験を通じて〜」に記している。